1月7日、北海道小樽市に星野リゾートのホテルが開業した。コロナ禍で苦しむ観光地から、「地域一体」となって街の魅力を発信する。

異国情緒溢れるレトロな客室に、地元の海産物を使ったスペイン料理。港町小樽市に開業した、星野リゾートが運営する「OMO5小樽by星野リゾート」だ。

OMO5小樽 照井太陽 副支配人:
この小樽市に泊まる理由をつくるのを目標にした

小樽市の魅力を体感できる、星野リゾートの新たなサービスとは?

八木隆太郎 キャスター:
こちらのホテル、今から約90年前に建てられた旧小樽商工会議所をリノベーションして造られました。随所に内装や家具など歴史を感じます。まさに小樽の街にぴったりです

観光スポットが集まる小樽運河のすぐそばに、1月7日開業した星野リゾートのホテル「OMO5小樽」。ホテルは92室。さまざまな旅のスタイルに合わせている。

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小樽名物のオルゴールは、自分の部屋に持っていき音色を楽しむことができる。

OMO5小樽のコンセプトは…?

OMO5小樽 照井太陽 副支配人:
この小樽には、日帰りという形で観光に来ているのが現状。小樽市に泊まる理由をつくることを目標にした。小樽市の知られざる歴史や文化、食の魅力を皆様にご提案したい

小樽市は札幌市から近く、日帰りでも楽しめることから、訪れた6割以上の人が小樽市には宿泊しない。

山形から来た観光客:
小樽市は日帰りです。旅のプランの中で、札幌市に泊まっていたので、ついでに近くで来られるということで

小樽市は新型コロナウイルスにも苦しめられてきた。2021年度の観光客数は259万人あまり。コロナの前と比べて約6割も減少した。統計開始以来、最も少ない数だ。

そこで、星野リゾートは小樽の食や文化、そして歴史を地域一体となって発信し、「泊まる理由をつくるホテル」をコンセプトに掲げた。

【泊まる理由1:ニシン】

まず目を付けたのはニシンだ。かつて小樽市の経済を支えるほど豊漁だったニシンを、スペイン料理のパエリアに使った。

八木隆太郎 キャスター:
脂の乗ったニシンが、ほろほろっとほぐれていきます。小骨も気になりません。出汁を吸った米とニシンの身がとても合いますね

【泊まる理由2:スイーツ】

小樽市と言えばスイーツ。「締めパフェ」ならぬ「朝パフェ」を、小樽発祥の洋菓子店「ルタオ」と共同開発した。

八木隆太郎 キャスター:
ヨーグルトの効いたクリームが口の中を爽やかにしてくれます。さまざまなフルーツと、とても相性がいいですね。しかも宿泊者限定ですので特別感があります

朝の目覚めにぴったりなヨーグルトやアロニア、フルーツをふんだんに使ったパフェ。宿泊者限定のご馳走だ。

【泊まる理由3:ガイドツアー】 

OMOレンジャー 渡辺弘晃さん:
ここは堺町本通り、お買い物通りでございます。ここを行きながら歴史、買い物を楽しんでいただこうと思います。早速参りましょう

街歩きのガイド、「OMOレンジャー」。ホテルのスタッフがOMOレンジャーとして、小樽の街や飲食店などを「まるで友人のように」案内してくれるサービスだ。

OMOレンジャー 渡辺弘晃さん:
ちょっと上を見てもらうと面白い時計があるんですけど、針がないんですよね。何でだかわかりますか?

八木 隆太郎 キャスター:
港町で風が強いので、針が落ちちゃうから?

 
 

OMOレンジャー 渡辺 弘晃さん:
あーっ、残念です!実は針がないということは時間が進まない、不老館の名の通り、年をとらないよという思いがこもっているそうです

ホテルと商店街をつなぐOMOレンジャーの案内に、店側も期待する。

店主:
これまで素通りというか、日帰りのお客様が多くて、入る気がなかったんですけど、連れて行ってもらって入ったらすごくよかったとか発見があると思うので、ツアーをしていただけるのはありがたいな

宿泊しながら、知られざる小樽市の歴史や魅力を体感できる、新しいタイプのホテルの誕生だ。

OMO5のさらに面白い有料プランとしては、市場のお母さんたちが勝手に丼に刺身を盛ってくれる「鱗友市場で勝手にお節介丼ツアー」(1人3300円、ガイド料と食事込み)などがある。

星野リゾートは、このほか14日には白老町の「ウポポイ」のすぐ近くに「星野リゾート界 ポロト」、28日には「OMO3札幌すすきのby星野リゾート」が北海道で開業を予定。

北海道の魅力を再発見できる拠点にもなりそうだ。

(北海道文化放送)

北海道文化放送
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