コロナ感染拡大の“最前線”となっている沖縄。めざまし8が現地の医師を取材すると、「オミクロン株はインフルエンザに近い」とする一方、感染拡大で社会インフラに影響する懸念も。

診察の現場から見えたオミクロン株の“4つの特徴”について解説しました。

「インフルエンザと区別するのは難しい」気の緩みに危機感

この記事の画像(11枚)

沖縄、広島、山口の3県で、1月9日からまん延防止等重点措置が適用されました。沖縄での感染急拡大の原因の1つが感染力の強い「オミクロン株」の存在。12月30日の時点で、新規感染者の97%がオミクロン株に置き換わったとされています。

その特徴について、沖縄県専門家会議の藤田次郎座長はこう見解を示します。

琉球大学教授・沖縄県専門家会議 藤田次郎座長:
(沖縄では)9日の時点で約250名の患者さんが入院されていますが、その中に人工呼吸器がついている人が1人もいないのです。デルタ株とインフルエンザという2つの疾患があるとすると、オミクロン株はどちらかというとデルタ株よりもインフルエンザに近づいている、そういう病気だと思います。

治療にあたっている田里大輔医師も、オミクロン株の症状についてこう語ります。

北部地区医師会病院 呼吸器感染症科 田里大輔医師:
患者さんの症状とか経過に関しては、明らかに従来のものと違って。もう症状的には風邪、もしくは、インフルエンザと区別するのは現実的には難しいです。

症状は軽い患者が多く、インフルエンザに近いと話す田里医師。その一方で…。

北部地区医師会病院 呼吸器感染症科 田里大輔医師:
軽症になっているということだけが、どんどんクローズアップされて。この気の緩みというか、デルタに比べると大丈夫という風潮が出ているのが、医療者からすると非常に違和感を覚えるというか、危機感を覚えています。

肺炎少なく…喉や鼻に症状

田里医師にオミクロン株の「4つの特徴」について伺いました。

1つ目は「肺炎が少ない」ということ。これまでの新型コロナウイルスは、軽症(時には無症状)でも検査すると肺炎という患者がいました。

しかし、オミクロン株は逆に症状が非常に強い患者でも、肺炎を認める患者は極端に少ない。1月4日の「主にオミクロン株による流行」の療養者675人のうち、無症状・軽症が92.3%を占めています。

2つ目は「“風邪に近い”症状」。オミクロン株で患者が訴えることが多い症状というのが、喉の症状(咽頭痛・イガイガ感)と、鼻水や鼻づまりです。

これまでは無症状や嗅覚・味覚障害が新型コロナウイルスの特徴と言われていましたが、これらの症状のみの患者が少ない印象があり、症状がより“風邪らしく”なっています。

実際に沖縄県で50人を調べたアドバイザーリボードが公表した症状は、一番多いのが発熱72%、せき58%、全身倦怠感50%。そして、無症状が4%で50人中2人しかいなかったことになります。

その一方で、田里医師はインフルエンザとは違う点があること指摘します。

北部地区医師会病院 呼吸器感染症科 田里大輔医師:
これはあくまでも医学的な臨床像といって、症状を評価するだけですので、実際にインフルエンザと感染力・潜伏期は異なります。現在、新型コロナウイルスも治療薬は出ていますが、インフルエンザのタミフルのように全世代に気軽に投与できるような状況では全くないので。また今回、急拡大により見られている社会インフラへの影響というのは、インフルエンザの比にはならないと考えています。

潜伏期間は短く、回復は早い

そして、3つ目の特徴は「潜伏期間が短い」ということ。これまでの新型コロナウイルスは4~5日の潜伏期間と言われていましたが、オミクロン株は2~3日と感染から発症までの期間が短い印象があるといいます。

続いて、4つ目は「回復までが早い」ということ。病院を受診するころにはすでに回復してきている患者が多く、症状の回復時間が早い印象が。

さらに田里医師は、沖縄県において医療従事者に起こっている、困難への対応についても言及しました。

出勤できない医療従事者の存在 “軽症者”受け入れる療養施設を

沖縄県では今、濃厚接触者とされ働くことができない状況にある医療従事者が存在しています。

新型コロナ感染・濃厚接触者などで出勤できない医療従事者が485人。当然、社会インフラにも影響が出てきて、救急受け入れを16機関が一部制限、外来診療などを9機関が制限しています。

そして、田里医師が勤める病院でも感染者が9人、この中で3回ワクチンの接種を終えた方も含まれています。これでは中々、医療機関が回っていかないということで、11日から濃厚接触者は毎日検査して、陰性なら出勤してもらう予定と変化が生じています。このような判断に至った理由とは。

北部地区医師会病院 呼吸器感染症科 田里大輔医師:
これは決して我々独自の判断ではなく、沖縄県の医療ひっ迫具合を見て、国から新しい基準が出ました。9日、県から医療機関用に出勤するときに調べる抗原検査という配布が始まり、沖縄県のコロナを診ている重点医療体制機関すべて同じ体制になります。もちろんワクチン2回接種が済んでいる方で、他に代えがきかない職種、スタッフということになります。

そして、入院している患者さんへの治療法、デルタ株が流行した時の医療機関の状況との違いについては…。

北部地区医師会病院 呼吸器感染症科 田里大輔医師:
現在入院している方は、重症例とか酸素を吸っている方はほとんどいなくて。重症化のリスクが高い患者さんを選択して、そういった方々に抗体療法をやって、我々の病院では一泊でも退院して頂いて、自宅・ホテル療養に切り替えている段階です。
ですので、デルタ株の時の基準のように、重症者のベットを確保する…。あの時は中々、病院に入院できずに自宅やホテルで酸素を吸う方が出ましたが、オミクロン株に関してはそういう状況は全くありません。デルタ株の基準ではなく、これだけの数の軽症者を抱えられる療養施設の準備が急がれると思います。

オミクロン株は“軽症”で済むという意識が広がりつつある今、改めて気を抜かずに「感染症対策」を徹底することが求められています。

(「めざまし8」 1月10日放送より)

めざまし8
めざまし8
記事 404