東地区6位のサンロッカーズ渋谷は、2位の川崎ブレイブサンダースを下し、新年負けなしの3連勝を飾った。昨季1勝も挙げられなかった強豪相手に一度もリードを許すことはなかった。

試合後、渋谷の伊佐勉ヘッドコーチ(52)は勢いに乗るチームについてこう語った。 

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「彼は絶対的エースなので、彼が点を取ってくれれば、チームは間違いなく勢いに乗る。周りから見たらタフショットに見えるシュートでも彼は難なく沈めてくるので、彼らしいいいオフェンスでチームを引っ張ってくれた。強い気持ちでリングにアタックしてくれたと思う。チームも彼の背中を見てゲームが進んでいった印象がある」

指揮官が「絶対的エース」と呼ぶ「彼」とは東京五輪日本代表でキャプテンのベンドラメ礼生(28)だ。

第1クオーター開始からマッチアップした川崎の篠山竜青(33)に激しい守備でプレッシャーをかけ続け、自由に仕事をさせなかった。攻撃でも立ち上がりから果敢にリングにアタックし7得点を挙げた。

第2クオーターに同点に追いつかれた直後もベンドラメが3ポイントシュートを沈めリードを許さない。その後もキレのあるドライブと2本の3ポイントの成功など次々と得点を重ねていった。

「ヘッドコーチから絶対的エースと言ってもらえるのはすごく嬉しいし、その責任もある。大事な時間帯で僕もボールを持ってシュートを決めなきゃいけないと思っているし、消極的にはなりたくない。積極的にいって負けるなら僕で負けるくらいの意識はある」とベンドラメ。

後半こそ得点は伸びなかったものの、リングにアタックする積極的な姿勢は崩さない。最終クオーターの開始早々にはベンドラメのレイアップでリードを20点に。終了間際には元NBA選手マカドゥ(29)のダンクをアシストするなどこの試合4本の3ポイントシュートを含む22得点4アシストの活躍。

18得点を挙げたマカドゥも「開始からキャプテンがいいプレーをしてオフェンスの流れを持ってきてくれた」と感謝。エースとしてキャプテンとしてチームを背中で引っ張って見せた。

また、Bリーグはこの日、新型コロナ感染急拡大で10試合中、7試合が中止となった。 「不安な気持ちがある中、試合を開催でき、ファンに最高の試合を届けられたのは選手としてうれしい。コートでパフォーマンスを披露することが僕の仕事。試合があるなら全力でプレーするだけ。応援してくれる方にはしっかりと感謝を伝えたい。感染者を出さないように気を引き締めてやっていきたい」とベンドラメ。

チームの絶対的エースにしてキャプテンの背中と言葉が「責任感の強さ」を物語っていた。

SR渋谷81-63川崎
(8日・青山学院記念館)

また、この試合でSR渋谷は来場者にベンドラメ監修のゲームプログラムを配布。「川崎の選手をしっかり分析できたのはすごく良かった。勝手に偏見を持って書くのがすごく楽しかった」と、感性豊かな一言コメントで来場者を楽しませた。

(フジテレビ・加藤忍)

加藤忍
加藤忍

早稲田大学卒業。フジテレビ入社。スポーツ局すぽると!ロッテ担当、ヤクルト野球中継などを経て現在は報道局兼スポーツ局。