街で聞かれた3回目接種への期待と不安の声。
3回目接種の前倒しが検討されている中、「副反応」は1回目、2回目と違いがあるのでしょうか。めざまし8では、実際に接種を受けた医療従事者を独自に取材し、体験を聞きました。

3回目「症状が早く出た」「想像よりも大丈夫」

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12月7日に取材したのは、山梨大学医学部付属病院で看護師として働く由井愛理菜さん。
12月1日に3回目のワクチン接種を済ませました。

山梨大学医学部付属病院 看護師・由井愛理菜さん:
2回目がすごいひどかったので、3回目もちょっと怖かったんですけど、3回目は想像よりは大丈夫でしたね。打ってその直後には肩がちょっと痛いかなっていう感じで、割と症状が出るのは早かったかもしれないです。熱も37度3分とか微熱でおさまってくれました。

由井さんによると、接種を受けてから約4時間後に37度3分の発熱。2回目の時は、熱が出たのは翌日で、37度台後半でした。3回目の副反応は「症状が早く出た」と感じたといいます。さらに、腕の痛みに関しては――。

山梨大学医学部付属病院 看護師・由井愛理菜さん:
肩もちょっと筋肉痛、1回目よりはちょっと強い筋肉痛だったんですけど、2回目ほど腕が上がらないっていうことはなかったです。

1回目の後、腕の痛みは軽い筋肉痛程度だったという由井さん。2回目の後は、髪を乾かすため腕を上げるのがつらくなるほどの痛みがあったといいますが、3回目は、翌日普通に仕事ができる程度だったといいます。その一方で、同じ日に接種を受けた同僚は、腕以外の部分に痛みが出たといいます。

山梨大学医学部付属病院 看護師・由井愛理菜さん:
同じ部署に1人、同じ日に打った方がいるんですけど、その方も熱が少し出てだるいという同じ症状だったのと、あとは「リンパ節が腫れて少し痛いかな」というのは言っていました。「打った側の脇の下のリンパが腫れて痛い」っていうのは聞きました。私は少し腫れてるかなとは思ったんですけど、そこまで痛みは感じなかったです。

“前倒し接種”はどうなる?

さらに、追加接種をめぐって注目されているのが、岸田首相が12月6日に示した「8カ月を待たずにできる限り前倒し」という方針です。一方で、一夜明けた7日には――。

後藤茂之厚労相:
ワクチンは順次輸入されるものでして、現状で全国民を対象に接種間隔の前倒しを一律行うことは困難である。

堀内詔子ワクチン接種相:
どのくらいオミクロン株に有効かという事について、いわゆる効果の部分もまだ十分に検討段階であるというふうに思っています。

関係閣僚からは、一律の前倒しは難しいとの声が相次ぎました。

接種前倒しに立ちはだかる供給体制の壁。問題はそれだけではありません。接種の現場を取材すると、今の状況が見えてきました。

ワクチン箱が空っぽに…「オミクロン株」報道後に予約急増

空っぽになってしまったワクチンの箱。3回目の接種を前に予期せぬ事態が起こっていたのは、横浜市にあるクリニック。12月6日、最後の1本を使い切ったといいます。

末永クリニックの看護師:
こちらが新型コロナウイルスファイザー製のワクチンです。きのうの接種で在庫がゼロになってしまいました。予約をお受けしたくてもお受けできない状態です。

さらに、院長が見せてくれたのは、接種予定表が書き込まれたカレンダー。
8月、9月、10月とびっしり書き込まれているのは、ワクチン接種の予約です。

末永クリニック・末永直院長:
11月から受ける方が減ってきましたので、こちらもそろそろ終わりでいいのかなと思ってたんですけども。

その状況を変えたのが、世界の53の国と地域に拡大したオミクロン株の存在。12月に国内でも感染例が報告されると、ワクチン接種の予約が再び増加したといいます。

末永クリニック・末永直院長:
オミクロンの報道以来、急に1回目の方の申し込みが増えまして。受けそびれた、仕事の都合をつけても受けたいとか、あるいは、これまでは思い切れなかったけども、これは仕方がないから受けようと。そういって受けに来てる方が大半ですね。ですから、やはりオミクロン株の出現というのはワクチン接種にかなり大きい影響を与えてると思います。

このクリニックでは、次に追加のワクチンが届くのは2日後の12月10日。しかし、4本の24回分だけだといいます。

ーー現状追加分は予約で埋まってる?
末永クリニック・末永直院長:
はい。これはオミクロンの報道の前に発注してるもんですから。もうすでに3回目はいつ始まるんですか?とか、予約させてくださいって方はいますね。皆さん大変気にしていると思いますけど、ちょっと体制が整っていませんので、前倒しという話はありますけれども。旗を振る人はいいんですけど下で動く方としては、前倒しはやるべきだとは思いますが、結構大変だと思います。

オミクロン株の出現もあり、前倒し接種の動きもあるワクチン3回目の接種。「前倒し」実現には、現場の接種体制を整えられるかが重要になりそうです。

(「めざまし8」12月8日放送)