拍手のなか、登場したのは晴れ姿の新郎新婦。列車内で行われていたのは…なんと、ウエディングパーティー。

電車で結婚式「ウエディングトレイン」

10月、結婚式の打ち合わせに訪れたのは、福岡・久留米市出身の権藤直樹さん(30)と新婦の本田祐里さん(31)。そこで説明されたのが。

旅行会社:
JR久留米駅を出発しまして、特急列車、貸切ですね

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JRの特急列車を貸し切って行うという前代未聞の結婚式。その名も「ウエディングトレイン」。コロナ禍で結婚式を諦めた2人だったが、公募の中から選ばれ、無料で招待されることになった。

新婦・祐里さん:
すごく嬉しかったのと、びっくりしました

新郎・直樹さん:
初めて聞いたし、どんなふうになるんだろうっていうのが想像つかないんですけれども、楽しみにしてます

ウエディングトレインを企画したのは、旅行代理店の社長、山下洋一郎さん。新型コロナの影響を受けた旅行やウエディング業界に、元気を取り戻す起爆剤になればと意気込みをみせる。

ウエディングトレインを企画した・山下洋一郎さん:
今回これを成功させることによって、お客さまの新しい選択肢もさることながら、安心安全ということを証明できれば。思いを背負って、しっかりとこのプロジェクトを成功させたいと思います

JR九州全面協力で2人の門出を祝う

11月20日、結婚式当日の朝のJR久留米駅。

ウエディングトレインを企画した・山下洋一郎さん:
(準備に)1年かかりましたから。天気が晴れてよかったです

集まった出席者が拍手で出迎えるなか、主役の2人が登場。

祐里さんは可愛らしいウエディングドレス姿、直樹さんはこの日限定のJRの駅長の制服姿だ。電光掲示板には2人へのはなむけの言葉が。JR九州も全面協力。

披露宴会場へと2人を運ぶ列車は、人気の観光列車「かわせみ・やませみ」。

さっそく乗り込み、いざ出発!

駅長アナウンス:
ウエディングトレイン。幸せに向け、出発進行!

駅長のかけ声で列車が走り出した。
JR久留米駅を出たウエディングトレインは福岡市内を抜け、JR門司港駅を目指す。到着まで約3時間半。旅行気分を楽しみながら家族や親しい友人と特別なひとときを過ごす。

結婚式出席者:
直ちゃんよかったね~、お手柄!

結婚式出席者:
めっちゃいい!すごいかわいい。もう泣きそう、本当に

新郎の両親:
よかったねぇ、珍しくてね。みなさんに支えて頂いて本当に嬉しいです

新婦の母親:
かわいいです。我が子ながらかわいいです

思い出に"特別な切符"を

一方その頃、ウエディングトレインを企画した山下さんは、隣の車両で何やら慌ただしい様子。

ウエディングトレインを企画した・山下洋一郎さん:
皆様に、車内でお酒が出せないものだから…せめてお茶とお菓子くらいは。駄菓子なんです。ちょっと遊び心があっても良いかなと思って

感染対策で車内の飲食は極力控えたが、会話が弾むようにと山下さんからのちょっとしたプレゼント。さらに、列車ならではのこんな記念品も。

結婚式出席者:
うわ~、すごいこれ

新郎新婦が配ったのは、ウエディングトレインの記念乗車証。この日だけの特別な切符。さらに、披露宴では定番の新郎新婦のプロフィールムービーはスマートフォンの動画で配信された。

結婚式出席者:
めちゃくちゃ感動しました

結婚式出席者:
わ~泣いちゃう

順調に進むウエディングトレイン。山下さんもほっと胸をなで下ろす。

ウエディングトレインを企画した・山下洋一郎さん:
今のところは何とか進んでます。2年ぶりにこういう仕事が出来たっていうところが、我々にとっては一番嬉しいですね

列車は無事、門司港駅に到着。列車を降りた新婦が父親と向かった先は、ホームにひかれたヴァージンロード。旅の到着地点となった門司港駅で人前式が行われ、2人は永遠の愛を誓いあった。

新婦・祐里さん:
ちょっと泣きそう。本番を無事迎えられてほっとしたというのもありますし、いざやってみると緊張とかよりも、嬉しいなという気持ちの方が強かったです

新郎・直樹さん:
(両親に)良い姿が見せれてよかったかなと思います

ウエディングトレインを企画した・山下洋一郎さん:
涙が出るかと思って。止めるのに必死でした、正直。嬉しかったですね。単なる一回の自己満足で終わるのではなく、今後ずっと良い形で残って、お客様に選んでいただけるような、そういう商品になることを願っています

ウエディングトレインは2回目の企画も進んでいて、関係者は今後は商品化して新しい形の結婚式として定着させていきたいとしている。

(テレビ西日本)

テレビ西日本
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