鹿児島県に出されていた、まん延防止等重点措置が9月いっぱいで解除された。
コロナ禍前とは言わないまでも、少しずつ街に人出が戻り始める中、少しでもにぎわいを取り戻そうと様々な工夫を凝らす飲食店を取材した。
まん延防止等重点措置が解除されてから、2度目の週末を迎えた鹿児島市の繁華街、天文館。
携帯電話の位置情報などから推計したデータによると、10月9日午後9時の天文館の人出は、解除後すぐの土曜日だった2日午後9時と比べて10.7%増加した。
街に少しずつ人出が戻り始めてはいるものの、コロナ禍前と変わらない賑わいにはまだまだ至らないのが現状。
客全員に焼酎を無料提供する店も
そんな中…
丸山純平記者:
飲食店が建ち並ぶ通りの一角。こちらの居酒屋では、夜9時を過ぎても多くの客で賑わっています
鹿児島市千日町の居酒屋「お酒肆」。全国から厳選したお酒と料理を楽しめるこちらの店が賑わっている理由は…
店を訪れた客:
最高だと思います。すごいありがたいです
店を訪れたお客さん全員に、焼酎を何杯でも無料で振る舞う企画を実施していた。休業期間中にスタッフで考えていたアイデア。
店を訪れた客:
何カ月ぶりかに天文館に来ました
店を訪れた客:
こういうのを機に、活気づくのは良いことだなと
お酒肆・木原秀吾さん:
寂しい天文館になっていたので、最終的にはコロナ以前に戻ってもらうのが一番だけど、いきなりそういう風にはならないと思うし、少しずつ少しずつ天文館に帰ってきていただいて、昔みたいな天文館に戻っていけばいいなと
ワクチン接種でテーブルチャージ0円
丸山純平記者:
細い路地に飲食店が並ぶ「グルメ通り」にあるビールバー。ワクチン接種によってサービスが受けられるということです
コロナワクチン2回接種済みのお客様限定でテーブルチャージ0円。こんなサービスを打ち出したのは、グルメ通りのビールバー「BIGBEN」。
BIGBEN・井手上 樹さん:
先日はワクチン接種券の原本を持ってこられたお客さんがいて、本当にありがたい。口頭でも「打ちました」と明るく言ってもらえたら、それでOKです
こちらの店の売り上げの中心はお酒だったが、まん延防止等重点措置の適用で酒類の提供自粛が要請されたことで、大きな影響を受けた。
宣言の解除で売り上げの回復を目指す中で、一番に考えたのは「長い目で見た安心」だった。
BIGBEN・井手上 樹さん:
ワクチンを接種している人たちが店に来るのが、お客さんも安心だし、スタッフを守るという意味でも今回あえて。店でクラスターが起きないで、コロナが収束するのがベスト
このキャンペーンを行うことで、感染対策への意識の高い客により店に足を運んでもらい、その先の店の安心につなげたい考え。
一方で、実施にあたっては葛藤もあったという。
BIGBEN・井手上 樹さん:
いろんな都合で打たない方もいるので、それは尊重しないといけない。でも、決してワクチンを打っている人しか入店しちゃダメだと言っている訳ではない
BIGBEN・井手上 樹さん:
そういう方たちも周りがワクチンを打っていれば安心できるんじゃないか、そういう店にできれば
(鹿児島テレビ)