私たちが普段来ている衣服。環境省によると、1着を作るためにはCO2排出量が25.5kg、水の消費量は浴槽11杯分にもなるという。
このためファッション産業では、製造から廃棄に至るまで、環境への負荷を減らす取り組みが今急務となっている。

そんな中、ペットボトルをリサイクルした生地を使った、環境に優しいファッションブランドが福井に誕生した。

繊維商社のノウハウから…環境に優しいファッションブランド立ち上げ

ダイナミックなアート柄が特徴のジレに…

色が鮮やかなジレ
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流行のボリューム袖ワンピース。

ボリューム袖が特徴のワンピース

これらは、2021年4月に立ち上がったファッションブランド「SAISA(サイサ)」の商品。
発売以来、SNSでファッションに関心の高いインフルエンサー達から注目されている。

手掛けたのは、福井市にある繊維専門の商社「東郷商店」。
従業員12人の小さな会社ながら、国内外のハイブランドを中心に、婦人服向けの生地を生産販売してきた。

新型コロナで需要が減り、婦人服を取り巻く経営環境が厳しい中、なぜ今 経験のない新事業を立ち上げたのか?

東郷商店 宮塚麻緒さん:
アパレルメーカーに生地を卸しているんですけれども、発注が少なかったり、ファッション業界は厳しい状況。これまでと同じことをしていてはダメだということで、新しい事業を立ち上げました

繊維産地・福井の優れた技術を結集

また、新型コロナの影響で、県外からの注文が減る中、繊維産地・福井の優れた技術を絶やさないように、との思いがあった。
そのため、デザインから、織り・プリントといったほとんどの工程を県内企業に依頼して製造。

デザインから織り・プリントなどの工程を県内企業が

タグには、越前和紙を使用している。

タグは和紙で

最大の特徴は、ペットボトルをリサイクルした生地。

原渕由布奈アナウンサー:
なめらかで、すごく触り心地のいい生地ですね~

東郷商店 宮塚麻緒さん:
ペットボトルから作られたというと、みなさん驚かれます

伸縮性の違う2種類の糸を使うことで、これまでのリサイクル生地にはなかった自然素材に近い、柔らかい風合いを実現させた。
また、生地の染色には、玉ねぎの皮など自然のもので、かつ廃棄されてしまうものを活用している。

環境に配慮 持続可能なファッション産業を

ここまで環境に配慮するのには、理由がある。
ファッション産業は、製造にかかるエネルギー使用量や商品サイクルの短さなどから、環境負荷が非常に大きい産業と言われ、国際的な課題となっているのだ。

持続可能なファッション産業を見据え、環境に配慮したブランドとして立ち上げたこれらの商品。今後、どんな展開を考えているのか?

東郷商店 宮塚麻緒さん:
一番大事にしたいのが、サイサというブランドを通じて、環境に対しての意識だったりとか、サステナブルということを、多くの方に知っていただけるように頑張っていきたいです

環境に優しい素材と、福井の地場産業に支えられた丁寧な物作りで、長く着られる大切な一着を生み出していく。

【編集後記】

(福井テレビ 原渕由布奈アナウンサー)

安い衣服をシーズンごとに買い替えていく。そんなファストファッションの流れは、イチ消費者として、ありがたいと感じていました。
しかし、取材を通して知った環境への負荷は想像以上で、考えを改めなければと思いました。
今回取り上げたような企業側の取り組みも大事ですが、私たち消費者側の意識の変化も必要です。例えば、傷みにくい高品質の服を選んだり、修理したりして、一着を長く着ること。私もよく使いますが、古着店やフリマアプリなどを活用してリユースすること。そして、本当に必要な一着かどうか見極めること。
できるところから、取り入れていきたいものです。

(福井テレビ 原渕由布奈アナウンサー)