ついに本格的に始まった2021-2022シーズンのフィギュアスケート。

北京オリンピック代表最終選考会となる12月の全日本選手権への予選会として、9月24〜26日に中部選手権が行われた。

6つの地方大会、そして東西日本選手権を勝ち抜いた選手たちだけが、年末の全日本選手権の舞台にたどり着くことができる。

中部選手権で躍動し、西日本選手権への出場権を得た選手たちを特集する。

【シニア女子】

西日本選手権への11個の椅子を賭けて争われた、中部選手権シニア女子。多くの有力選手が集まったこの大会で出場権を得たのは、以下の11人だ。

1 松生 理乃(中京大中京高校)201.44点
2 横井 ゆは菜(中京大学)176.53点
3 新田谷 凜(中京大学)169.38点
4 大庭 雅(東海東京FH)166.54点
5 荒木 菜那(中京大学)163.47点
6 山下 真瑚(中京大学)144.53点
7 酒井 祐香(中京大学)141.02点
8 浦松 千聖(中京大学)139.71点
9 永田 絵美莉(中京大学)133.77点
10 渡辺 真央(中京大学)133.60点
11 加藤 利緒菜(中京大学)131.98点

シニア初優勝の松生理乃
シニア初優勝の松生理乃
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優勝したのは、昨シーズン全日本ジュニアを制し、勢いそのままに全日本選手権で4位と注目を集めていた松生理乃。

「最初のジャンプが凄く危なっかしいジャンプになってしまい、もう少し質の良いジャンプが跳びたかったという少し悔しい気持ちがある。でも69点というのは、自分的には高い点数なのかなと思うので、とりあえずはほっとして、満足してもいいのかなっていう感じです」

そう話したショートでは、ジャンプを全てまとめ、後半のコンビネーションジャンプもしっかりと決め、ショート1位の69.48点を叩き出した。

フリーでは、現在練習中のトリプルアクセル(3回転半)に挑戦するも、両足着氷になりダウングレード。しかしその後崩れることもなく、ほぼノーミスの演技を見せ、「全体的にもっとうまくできたかなっていう悔しい気持ち、ちょっとモヤモヤした感じが残った試合、演技だったかな」としつつも、フリーでも131.96点で1位と実力を見せつけた。

松生理乃
松生理乃

シニアとして出る初めてのブロック大会を、唯一の200点超えで優勝した松生は、トリプルアクセルに関して「6分間練習の感触は良かったが『(山田コーチに)跳ばない方が良かった』と言われるくらい中途半端な出来になってしまった。もっといっぱい練習したい」と、大技習得へ向け意欲を口にした。

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横井ゆは菜
横井ゆは菜

2位には横井ゆは菜が入った。ショートではトリプルフリップで着氷が乱れ、その後の3回転ルッツが1回転ルッツに。51.45点と振るわず、フリーを第3グループで滑ることになった。

「夏場の練習では調子が悪かったり、残りの競技生活も長くない中で、余計なことを色々と考えてしまった。練習に対しての向上心もなく試合への価値も見出せなかった」とショート後に話していた横井だったが、フリーでは全てのジャンプを着氷させ、派手なガッツポーズを見せた。

フリーで使ったロックバンド・クイーンのメドレーの中の曲「We are the champion」に、「くよくよしている暇はない」という歌詞を見つけ、「今の自分めっちゃくよくよしてる」と気が付き、気持ちを切り替えたという横井。

横井ゆは菜
横井ゆは菜

逆転の表彰台に登ると笑顔を見せた。

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【シニア男子】

シニア男子では2人が西日本進出を決めた。

1 山本 草太(中京大学)231.73点
2 和田 龍京(中京大学)137.62点

優勝した山本草太は今年7月にグランプリ東海に移籍し、山田満知子コーチと樋口美穂子コーチの指導を受けている。「本当に毎日充実した練習を先生と積めている」という言葉の通り、ショートでは4回転サルコウもしっかり成功させ、ジャンプはノーミス。スピンを一つ取りこぼしたものの、「初戦のショートにしては良かった」といいスタートを切った。

フリーでは左足に痛みが出たこともあり、4回転トーループを回避するなど構成を直前に変更した山本。冒頭の4回転サルコウと2回転トーループでは出来栄え点(GOE)で2.26点と大きく加算されると、2本目の4回転サルコウで回転不足となりトリプルアクセルがダブルアクセルになってしまった以外は大きなミス無く演技を終えた。

樋口美穂子コーチからは「失敗があった割には点数が出た。伸び代のある演技だったね」と声をかけられたという山本の次戦は、10月のジャパンオープンだ。

「今日見つかったこの構成での課題を先生と話し合いながら、また練習していった方が良いのかなという風には今思っています」

【ジュニア男子・女子】

13歳から19歳までの選手が出場するジュニアクラスでは、男子が4人、女子は10人が西日本選手権に進出を決めた。

ジュニア男子
1 田内 誠悟(名東FSC)152.53点
2 誉田 知己(愛知みずほ大瑞穂高校)137.91点
3 三島 舞明(名古屋FSC)137.31点
4 中野 瑠伽(名東FSC)128.40点

田内誠悟
田内誠悟

優勝は今シーズジュニアデビューの田内誠悟。フリーではジャンプのミスが目立ち、悔しそうな表情を見せ、「西日本では絶対にノーミスしたい」と力強く話した。

ジュニア女子
1 横井 きな結(中京大中京高校)146.13点
2 後藤 千弦(グランプリ東海クラブ)131.51点
3 森 実愛(名古屋FSC)130.42点
4 田村 珠里亜(愛知みずほ大瑞穂高校)124.70点
5 大坪 瑚子(邦和SC)122.16点
6 高岡 もも(邦和SC)120.71点
7 山𥔎 藍香(誉高校スケート部)120.69点
8 磯村 彩姫(中京大学)119.54点
9 服部 杏奏(オリオンFSC)117.34点
10 吉井 絹恵(中京大学)117.08点

横井きな結
横井きな結

優勝は、シニア女子2位横井ゆは菜の妹・きな結。8月末に内転筋を痛め、大会直前までジャンプの練習ができなかった横井きな結は、ショートでは3回転ルッツを回避、フリーのジャンプ構成も本来のものでは無かったものの、実力を見せつけた。
「西日本までに3回転ルッツを含めた本来のジャンプ構成に戻したい」と話した。

【ノービスAB男子・女子】

11〜12歳が参加するノービスAクラスと、9〜10歳が参加するBクラスでは、この中部選手権を通過すると、全日本ノービスに挑むことになる。

10月の全日本ノービスへの出場が決まったのは、以下の選手たちだ。

ノービスA男子
1 神谷 帆鷹(名古屋FSC)82.47点
2 佐藤 和那(邦和SC)78.28点
3 花井 広人(邦和SC)75.59点
4 寺島 光射(名東FSC)60.03点

ノービスA女子
1 和田 薫子(グランプリ東海クラブ)99.18点
2 上園 恋奈(グランプリ東海クラブ)81.22点
3 矢口 真央(スペリオール愛知FSC)79.98点
4 岡田 芽依(ポラリス中部FSC)69.67点
5 森田 愛華(グランプリ東海クラブ)64.82点
6 菰原 皐月(グランプリ東海クラブ)61.63点
7 渡瀬 陽香(邦和SC)59.91点

ノービスB男子
1 竹中 慎(アテナ豊橋FSC)53.69点
2 三浦 琉生(グランプリ東海クラブ)49.39点
3 青木 蓮耶(グランプリ東海クラブ)47.15点
4 丸山 喜生(アイリスFSC)45.39点
5 岡本 陽輝(アズライト浜松FSC)32.26点

ノービスB女子
1 星 碧波(グランプリ東海クラブ)61.45点
2 森岡 凛(グランプリ東海クラブ)54.81点
3 青山 柚希(邦和SC)53.76点
4 花井 咲良(邦和SC)52.05点
5 佐藤 心春(邦和SC)42.71点

フィギュアスケート取材班
フィギュアスケート取材班