西日本豪雨から3年。岡山県倉敷市真備町は、町の復旧から再生へと復興のステージを移している。豪雨災害から3年たった今、そこで暮らす人たちの思いを伝える。

3年間、町を走り続けてきたタクシードライバー

日の丸タクシー・井上敏之さん:
それはすごいですよ。車の上に車が乗っかっていたり

日の丸タクシーの井上敏之さん
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2018年、タクシー22台、バス11台などが水没した日の丸タクシー。

2018年の西日本豪雨

日の丸タクシー・井上敏之さん:
最初のころは、町の明かりが全くなかった。不気味というか。その時のことを考えたら、復興できているとは感じます

同業社から譲ってもらうなどして、2021年3月、ようやく車両数が被災前と同じになった。

復興した日の丸タクシー

井上さんは3年間、町を走り続けてきた。

日の丸タクシー・井上敏之さん:
ここがアルミ工場があったところ。この辺りが一番ひどかった。水害と爆発で。だから全部(家を)建て替えた人ばかり。すごい災害が起きてしまった

井上さんから、お客さんへのメッセージは…。

日の丸タクシー・井上敏之さん:
災害から3年が経とうとしています。日の丸タクシーの車両もタクシーもバスもほぼ復活しています。これからもお客さまに安心安全をモットーに営業を続けていきたいと思うので、ご乗車よろしくお願いします

真備町で生きていくことを決めた夫婦

続いてメッセージを寄せてくれたのは、2020年に第一子が生まれた岡山県真備町に住む八塔諒平さん、友里恵さん夫婦。

八塔さんは2018年、実家が1階の天井まで浸水した。

豪雨災害で実家は1階の天井まで浸水した

この時、倉敷市内の別の場所に住んでいた八塔さんは、真備町に避難勧告が出るとすぐに実家に駆け付け、家族を連れて避難した。

八塔諒平さん:
やっぱり7月になったら思い出します、毎年。携帯でアラームが鳴ったら、ドキッとするし

八塔さん夫婦は、被災から1カ月後に入籍。新居を建てた場所は、実家の目の前だった。

八塔諒平さん:
実家がすぐそこです。目の前なので、何かあったらすぐ駆け付けられる。(災害発生直後、家族が)まだ逃げていないというので、心配になってすぐ帰ろうと思っても、実家に帰るまでの時間がすごく長く感じた。実家の家族を近くで見ておける安心感があったので、ここに家を建てました。真備に住み続けます

八塔諒平さん

真備町で生きていくことを決めた八塔さんから、娘の柚月ちゃんへのメッセージ。

八塔諒平さん:
柚月へ。柚月が生まれた真備町は、すごく自然が豊かで、きれいなところです。でも柚月が生まれる前、人生で一番大きな出来事がありました。被災してから辛い思いや大変な思いもたくさんしましたけど、お父さんとお母さんが力を合わせて、実家の家族、柚月のおじいちゃん、おばあちゃん、ひいおじいちゃんも皆で一生懸命、ここで頑張ってきました。これから柚月がどういう風に育っていくか分からないけど、この自然がきれいな真備町で元気いっぱい、すくすく育っていってください

八塔諒平さん、友里恵さん夫婦と娘の柚月ちゃん

豪雨災害から3年 さまざまな思い

そこに生きる人の数だけ、伝えたいメッセージがある。

鎌田種苗店の鎌田智子さんから、お客さんへのメッセージ。

鎌田種苗店・鎌田智子さん:
災害から3年が来ようとしています。やっと真備町に入ってこれたよというお客さんもいたし、うちもぼちぼち軌道に乗りつつあります。これからも頑張りますので、よろしくお願いいたします

鎌田種苗店・鎌田智子さん

讃岐うどん かわはらの川原涼さんから、3年前に力を貸してくれた人へのメッセージ。

讃岐うどん かわはら・川原涼さん:
3年前、困っている僕たちに力を貸してくれた、たくさんの人たちへ。僕らの友達や周りの方が、僕らに力を貸してくれて、片付けを手伝っていただきました。あの時は、本当に皆さんの力があって、いろいろなことを進めることができて、今こうして充実した日々を過ごすことができています。本当にありがとうございました

讃岐うどん かわはら・川原涼さん

同じく、川原艶子さんから災害直後にアイスをくれた見知らぬ人へのメッセージ。

讃岐うどん かわはら・川原艶子さん:
3年前のあの暑い夏に、1本のアイスクリームをくれたお母さんへ。どうやってこれから生きていこうかという時にいただいたあのアイスの味は、今でも忘れられません。私もこんな大事なものを、知らない人のために差し出せるような人になりたいと思って、その気持ちで3年間、商売をやってきました。本当にうれしかったです。ありがとうございました

讃岐うどん かわはら・川原艶子さん

バイクなどが全て水に浸かった自転車店は、1年半かけて営業を全面再開した。池野サイクルの池野一馬さんから、真備町を離れているお客さんへのメッセージ。

池野サイクル・池野一馬さん:
店もだんだん開店して増えてきたし、安心して早く(真備町に)帰ってきてもらいたいです。早く人が帰らないと寂しいです

池野サイクル・池野一馬さん

自宅が被災した川相愛佳さんから、中学校の時の担任の先生へのメッセージ。

自宅が被災した川相愛佳さん:
被災した時に心配をして電話をしてくれて、今まで3年間、私もいろいろあったけど、話を聞いてくださって、いつも本当にありがとうございます。これから私も地元でお店を開くという夢をもって実現できるよう頑張っていくので、お店ができたら、その時は来てください

自宅が被災した川相愛佳さん

(岡山放送)