岡山県内で「還付金が戻る」とうたい、ATMに行かせて金をだまし取る詐欺が急増している。
被害に遭いそうになった女性と、詐欺グループとの電話のやり取りから、その巧妙な手口が見えてきた。

詐欺に気が付き警察に協力

役場職員を名乗る男:
お振込みを押してください。次にキャッシュカードという所を押してください

これは役場職員を名乗る男が電話で、ATMの操作を指示する音声データ。

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6月17日、岡山県北に住む60代後半の女性の自宅に、役場の職員を名乗る男から「介護保険料の還付金が3万1,600円あるので、ATMに行ってください」と電話があった。

60代後半の女性:
銀行の窓口でも手続きはできるが、窓口だと、いろいろ手続き上、役場とやり取りしないといけないので、1時間半以上待つことになるから。キャッシュコーナーだと、素早く還付を受けることが出来ます。とりあえず窓口に行かずに、キャッシュコーナーにすぐ急げとすすめてくる

女性は、ATMで詐欺だと気付き、警察に相談。
女性は警察の捜査に協力するため、だまされたふり作戦で男に電話をかけ直した。

ATM操作指示で残高ギリギリまでだまし取る

すると、巧妙な手口が見えてきた。

役場職員を名乗る男:
残高は何ケタになっていますでしょうか?表示は

60代後半の女性:
残高は50万円ほどです

役場職員を名乗る男:
今、金額ってなっているのがお客様番号のところでして、499と入れてください

60代後半の女性:
499ですか?499。はい

役場職員を名乗る男:
158と打ってください

60代後半の女性:
499158ですか

役場職員を名乗る男:
そうです。円を押して確認です

男が伝えたお客様番号は、実は金額。
男は、女性の残高が50万円ほどと聞いて、49万9158円を振り込ませようとしたとみられている。

60代後半の女性:
一番最初に役場に「こんなことをしてるんですか?」と一本電話を入れるだけで、わかったと思うんですね。自分も注意深い方だと思いますし、歳はとっていますけど、まだ詐欺にはかからないぞと思っていたのは事実です

岡山県では2021年に入り、特殊詐欺の被害件数が46件。このうち還付金詐欺が13件と最も多くなっている。

岡山県警 生活安全企画課犯罪抑止対策室・山本直希課長補佐:
2021年2月以降、還付金詐欺、特に介護保険料を名目とした還付金詐欺が非常に増えてきています。特に被害者が60代後半の女性が多いのが現状です。
ATMでお金が返ってくることは絶対にありませんので、ATMに誘い出すような電話があった時には信用せず、必ず金融機関、もしくは身近な方、警察に相談してくれるようお願い致します

(岡山放送)

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