FNN記者のイチオシのネタを集めた「取材部 ネタプレ」。今回取り上げるのは、フジテレビ政治部防衛省担当の伊藤聖記者が伝える「自衛隊によるワクチン大規模接種センターの疑問」。

伊藤聖記者
いよいよ5月24日から自衛隊が東京と大阪に設置した大規模接種センターでのワクチン接種が始まります。きょうは東京・大手町の大規模接種センターで200人のエキストラを使った予行演習が行われました。接種するブースは35カ所あるんですが、きょうは比較的スムーズに行われているように見えました

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大規模接種センターで接種を受けるには?

伊藤聖記者
東京の大規模接種センターの対象者は首都圏の東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県に住む来年3月末時点で65歳以上の高齢者で、いくつか条件があります。まずは自治体が発行している接種券を持っていること。もう一つは自治体が設置している会場でまだワクチン接種を受けていないことが条件になります。

伊藤聖記者
これはなぜかと言うと自治体の会場ではファイザー製のワクチンを接種しているんですが、大規模接種センターではモデルナ製のワクチンを使うことになっています

加藤綾子キャスター
違うワクチンなんですね

伊藤聖記者
実は1回目と2回目で異なるメーカーのワクチンを打つことは推奨されていないために、自治体で1回目を打った方は2回目を大規模接種センターで打つことはできませんし、逆に1回目を大規模接種センターで受けた方は、2回目を自治体の会場で受けることはできません

加藤綾子キャスター
1回目と2回目は同じ会場でということなんですね?

伊藤聖記者
そうです。注意が必要です。大規模接種センターの接種には予約が必要なんですが、既に予約で埋まってしまったなどとニュースにも出ていますので、今からだと諦めなくてはいけないのかということなんですが、実は希望の日時が予約で埋まっていても予約した人がマイページからキャンセルすることが可能なので、根気強くサイトを見ていると実は空きが出ていて、再び予約可能になることもあります

加藤綾子キャスター
そうなんですね。また24日からも予約を受け付けるんですよね?

伊藤聖記者
はい。24日から東京都全域になるので、まだあきらめずに…

加藤綾子キャスター
前回取れなかった人もこまめにチェックするといいということですね

伊藤聖記者
気になる一般向けの接種なんですが、大規模接種センターは8月24日までは高齢者だけの接種と決められているんですが、状況によっては、高齢者に続く一般接種でも大規模接種センターを使うこともありそうなんですね。それは今後政府が判断することになります

菅首相の意向と防衛省側の誤算

伊藤聖記者
さて、この大規模接種センターのついて一番の疑問は、なぜ自衛隊が大規模接種を行うのかという点です

伊藤聖記者
自衛隊というのは約25万人(国家公務員の4割)が所属する政府最大の組織で、医師免許を持つ医官と看護師免許を持つ看護官それぞれ1000人ずついるんですね

伊藤聖記者
そこに目をつけたのが菅首相なんです。去年のダイヤモンド・プリンセス号で起きたクラスターでも自衛隊が乗り込んで活躍していましたよね

加藤綾子キャスター
(乗り込んだ自衛隊員には)1人も感染者出さなかったんですよね。これがすごかったですよね?

伊藤聖記者
菅首相もこの活躍が印象に残っていたようで、ワクチン接種でも自衛隊を活用しようと、今回の指示をしたんです

伊藤聖記者
ところが防衛省側には誤算がありました。元々自衛隊は各地の自治体で行われるワクチン接種会場に医官や看護官を派遣して接種を行うことまでは想定内だったんですが、大規模接種センターで予約も含めた会場の運営まで行うことは想定外でした

伊藤聖記者
このためスピード重視で予約システムを民間の事業者に委託したんですが、いくつか不備があって改修に追われているところなんです

(イット! 5月21日放送より)