フリッピン「キレのある動きができた」

チャンピオンシップ2位進出へ弾みをつけた。
地区優勝を逃した千葉ジェッツが約1カ月ぶりのホームゲームでレバンガ北海道に圧勝。3連敗中のチームを救った立役者はアメリカ出身、日本国籍のコー・フリッピン(24)だった。

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188センチのフリッピンは、決して大きい部類に入らないが、軽々とダンクを叩き込む跳躍力と、類稀なボールハンドリングは見る人を魅了する。

第1クォーター開始から13-0のランで主導権を握ると、フリッピンがボールハンドリングで魅せる。「ディフェンスに徹底し、キレのある動きができた」とスティールでボールを奪うと、ボールを背中側から回してドリブルチェンジするビハインド・ザ・バックで相手を巧みにかわし、鮮やかなレイアップシュートを決める。

20-6で迎えた第2クォーターもフリッピンを中心に加点すると、勢いそのまま40-18と大量リードで試合を折り返した。

ルーキー赤穂雷太の初のダンクに刺激

余裕が生まれた第3クォーターはルーキーの赤穂雷太(22)にも出場機会が訪れる。残り30秒だった。「前の試合でダンクを決めるチャンスがあったのに期待に応えられなかったが、今日はしっかり決めることができてよかった」とパスカットでボールを奪った赤穂が自身初となる豪快なダンクをたたき込む。

©CHIBAJETS FUNABASHI/©IKEMENKOHO
©CHIBAJETS FUNABASHI/©IKEMENKOHO

最後の10分間も前クォーター終盤の勢いのまま得点を量産する千葉。残り3分11秒だった。
「雷太が先にダンクを決めたので影響された」と、田口成浩(31)のパスを受けたフリッピンが自慢の跳躍力で豪快なダンク!…かに思われたが、惜しくもファウルを受け得点ならず。
それでも、身体能力の高さ見せつけたフリッピンが16得点をあげる活躍で99-46と53点の大差で勝利。連敗を3で止めた。

千葉ジェッツ 99-46 レバンガ北海道
(船橋アリーナ)

「勝ちたい気持ちが見えた」

試合後、大野篤史ヘッドコーチ(43)も「連敗でチームの雰囲気もあまりよくない中で、勝ちたいという気持ちが見えた試合だった。フリッピンが彼のいいところである運動能力の高さを活かしてオフェンス、ディフェンスともに貢献してくれた」と称えた。

チャンピオンシップへ「自信が大事」

チームは残り8試合を残して、チャンピオンシップのホーム開催を賭けて、川崎ブレイブサンダースと東地区2位の座を争う。「プレーオフに向けては互いに自信が大事になってくる。自信さえもっていれば、普段できないようなプレーもできる可能性がある。チームメートに自信を与えられるようなプレーをしてきたい」とフリッピン。これからも自信溢れるプレーでチームを上昇気流に乗せる。

最下位レバンガ北海道は9連敗

一方、東地区最下位のレバンガ北海道は今季チーム最少46得点、チーム史上最多53点差で大敗し、今季2度目の9連敗を喫した。

宮永雄太HC(39)は「選手たちは最後まで力を尽くしてくれたが、厳しい内容になってしまった。第1クォーターの立ち上がりでアタックしなければいけない場面で受け身になってしまったのがもったいなかった」と唇を噛んだ。

キャプテンの橋本竜馬(32)は「いつも入るシュートも入らず、我慢ができなくなって、千葉のペースになって、それを戻すことができなかった。こういう試合の後は、マインドが辛いので、気持ちの部分をリフレッシュして次に臨みたい」と次戦を見据えた。

加藤忍
加藤忍

早稲田大学卒業。フジテレビ入社。スポーツ局すぽると!ロッテ担当、ヤクルト野球中継などを経て現在は報道局兼スポーツ局。