自宅で市場の味を

北九州市の「台所」として親しまれている旦過市場。新型コロナの影響で苦境に立たされるなか、市場の若手店主たちが立ち上がった。

旦過市場
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約120軒ある店には、新鮮な野菜や海の幸が所狭しと並ぶ。
昭和の雰囲気を残すこの市場にも変化が。

リポーター:
ここ旦過市場も、新型コロナの影響で来店客が大幅に減り、打撃を受けているといいます

市場の店主たち:
 (以前と)全然違うよ、お客さんの通りが全くといっていいくらい。(以前は)中国、韓国、いろんな国の人が来て、寂しいですね、全く違いますね(人の)間隔がね

外国人観光客の姿は消え、地元の買い物客も2割ほど減った。 小倉名物ぬか炊きの専門店。3代目の宇佐美雄介さんは、100年続く伝統のぬかみそを受け継いでいる。

サバやイワシなど定番の具材だけでなく、卵やスペアリブのぬか炊きを開発するなど新しい商品づくりにも取り組んできた。それでも前回の緊急事態宣言の後には、店舗だけで半分から6割も売り上げが減ったという。

そこで宇佐美さんが企画したのは…。

百年床 宇佐美商店 宇佐美雄介さん:
旦過直送便と言いまして、ネットショップ用のセット商品を作らせて頂きました

市場にある7つの店舗の若手店主が協力し立ち上げた通販サイト。

ここでは宇佐美さんのぬか炊きのほか天然マグロ、名物のカナッペなど各店舗自慢の品を詰め合わせたセットが購入できる。コロナ禍で外出できなくても、自宅で市場の味を楽しめるのだ。

若手店主:
いま厳しいので、売り上げを上げる方法の1つとしては、やってみる価値があるかなと思って。僕ら世代からも旦過市場を盛り上げていけたらというのはあります

「旦過直送便」をもっと広く知ってもらいたい。そんな宇佐美さんたちが次に取り組んだのが…。

ユーチューバー:
はい!到着しました!駅からあっという間だったね

それは「旦過直送便」を紹介する動画の制作。 愛知県の鮮魚店の店員ながら、50万人以上のチャンネル登録者数を誇る人気ユーチューバーに、旦過市場と直送便のPRを依頼した。
市場で行われた撮影では、店主自らが自慢の商品をPRする。

ユーチューブ撮影 制作者:
大将オススメの商品は?

店主:
うちのオススメは、もろこし天とカナッペ

制作者:
カレイミリンって珍しいよね

店主:
北九州ではポピュラーですが、全国ではあまり出回ってない。(ぬか炊きは)江戸時代くらいからあるんですが、長く炊いて日持ちをさせるようにぬかを入れて

ぬかだきを初めとする北九州独自の食文化の解説も。 こうした若手の姿に店の先代店主は…。

先代店主たち:
新しい市場を背負っていくのは若手しかいないしね。今から引っ張ってくれるんじゃないでしょうか。相当、期待しています。いろんなアイデアを実行に移せるのは若い力じゃないと

百年床 宇佐美商店 宇佐美雄介さん:
(コロナ禍で)店舗の売り上げが皆さん厳しくなってるので、そういったところの助けになればというのと、市場の比較的若い人たちがこれからの旦過市場を支えていくみたいな形を作っていけたら

2027年度の完成を目指して、全体の再整備がはじまる旦過市場。 伝統ある市場の新しい歴史を、宇佐美さんたち若手が紡いでいく。

(テレビ西日本)