コロナ禍で多くの業種が打撃を受けている中、そんな状況を逆手にとった商品がTwitterに投稿され、話題となっている。

それがこちら。

やっと発売日になりました♪ヨロシクお願いします

Twitterに投稿されたのは、「赤字の鉄道会社だからこそ作れた珠玉の1本」とのキャッチコピーが書かれた「島原鉄道同色赤字ペン」を紹介するチラシだ。

島原鉄道の特徴的な黄色い電車のマスコットが付いた、普通の3色ボールペンにも見えるが、実は赤一色のみ。ただしペンの太さは異なり、0.5mm・07mm・1.0mmで書くことが出来る。値段は赤字覚悟の550円(税込み)だ。

「ノールックですぐに赤字線が引ける!!」などのコピーもあり、なんだか自虐的にも感じさせる。

「島原鉄道同色赤字ペン」
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Twitterに投稿したのは、島原鉄道の代表取締役社長である永井和久(@nagaikazuhisa)さん。

島原鉄道は長崎県の諫早と島原半島の公共交通機関として鉄道、バス、フェリー、タクシーなどの交通事業を展開している鉄道会社。

永井社長は、チラシで「当社でも、売り上げが大幅に落ち込み非常に厳しい経営状況が続いております。そのような現状を打破すべく、赤字会社にしか作れないものを作ろうと思いついたのがこの赤字線しか引けない『赤字ペン』です」などと窮状を訴えていた。

この全てが赤字の3色ならぬ“同色ボールペン”は、Twitterでも「全て赤とは面白いですね」「黒字になってからまた、黒の同色待ってる」などの声があり、約1万1千件のいいねがつくなど、話題となっている。(12月8日現在)

赤字を全面に出したボールペンだが、ローカル鉄道は島原鉄道に限らず経営状況が苦しいと言われる中、現状打破への意気込みから誕生した商品なのだろうか? そして3種類の太さの赤字ペンの使い方は? 島原鉄道の担当者にお話を伺った。

鉄道事業の収入は前年比で最大5割減

ーーなぜ作ろうと思った?

鉄道沿線の人口減少や少子高齢化などにより、弊社は慢性的な赤字経営が続いておりました。そのような中、新型コロナウイルスという未知のウイルスの感染拡大により経営悪化にさらなる拍車をかけました。

影響を受けたのは弊社だけでなく、多くの人々がこのウイルスで苦しめられ、日本中が落ち込んでいる中、当社の赤字経営を逆手にとって赤字の会社にしかできないおもしろい商品を作ろうと思いついたのがこの赤字線しか引けない「赤字ペン」です。

このような状況でも“くすっ”と笑ってもらい、少しでも元気になってもらえればと願いを込めて開発しました。ついでに黒字化を目指しています。


ーー経営状況はいま、どんな状況?

鉄道事業の収入は前年比で最大5割(4月時点)減少しております。


ーー自虐的な商品ではない?

自虐的な商品と言われますが、決してネガティブな発想で作られたものではなく、赤字経営という実体験をもとに笑ってほしいという自信をもって、こだわりぬいて作られた商品です。

赤字の太さは3種類

初回生産分の5000本は1週間で完売

ーー赤字ペン以外も何かついてくる?

お買い上げ頂いた皆様に島原鉄道の経営状況がわかる「しまてつの赤字グラフ」がついてきます。

オンラインショップでお買い上げいただいた皆様には「しまてつの赤字グラフ」に加えて、弊社の鉄道むすめキャラクター「神代みさき」がプリントされたお礼のメッセージカードとパンフレットの2点がついてきます。


ーー売れ行きは?

発売(11月21日)から1週間ほどで初回生産分の5000本が完売となりました。

オンラインショップ購入で付いてくるパンフレット

ーー次回はいつ頃に販売する予定?

初回分は完売しましたが、現在も多くのお問い合わせをいただいておりますので、追加生産の準備中です。次回の発売は2021年2月頃を予定しております。また購入希望のお客様にはオンラインショップにて予約受付を行っています(予約をいただいたお客様に優先的に販売させていただきます)。今後は商品の売れ行きを見ながらいつまで販売するかを検討したいと思っています。


ーーどこで購入できる?

弊社の有人駅、バス営業所、ホテル、「しまてつショップ」というオンラインショップなどで購入いただけます。

「しまてつの赤字グラフ」

駅員は皆で胸に差して勤務

ーー社内の反応はどうだった?

社員やグループ会社にも非常にウケました。社員からも多くの注文があり、経理部のメンバーは皆使っています。また、駅員は皆で胸に差して勤務しているようです。

想像以上の売れ行きに皆ビックリしています。多くの方に購入いただき大変喜んでおります。皆様の温かい応援に感謝しております。


ーーちなみに、これまでも何かグッズを販売していたの?

定番商品のキーホルダーはもちろん、キャラクターのぬいぐるみ、列車・バス型の目覚まし時計、子供用靴下、トートバッグなど多数販売しております。

その中でも実際の車両をモデルにした「赤パン2」が非常に人気で「赤字ペン」と同じように以前話題になったことがあります。

島原鉄道グッズ「赤パン2」

利用者からも「発想が素晴らしい」と好評

ーー利用者の声を教えて

「発想が素晴らしい」「デザインがかわいい」「こういった自虐ネタは応援したくなる」などのお声を頂いております。


ーー赤字の3種類の太さについて使い勝手の評判は?

基本的に赤ペン1本あればこの3色全て赤色のペンは必要ないと思うのですが、購入いただいた皆さんは肯定的にとらえているようで、「3本あれば突然赤色がなくなったときに予備があると助かる」といったお声や、「0.5mm以外は普段あまり使わないから新鮮、色のチョイスミスがないから安心」といったご意見をいただいております。
 

「赤字ペン」の上部には黄色の列車のマスッコト

島原鉄道の様々な取り組みにも興味を持って

ーーちなみに黒字ペンの発売予定はある?

赤字ペンの売れ行きと今後の経営状況で判断したいと思います。


ーー反響を教えて

社長自ら「赤字ペン」の発売についてツイッターに投稿したのをきっかけにあっという間にSNSで拡散し、発売前から非常に多くの反響がありました。それを見たマスコミ各社からもお問い合わせをいただき、多くのメディアで取り上げていただきました。おかげさまで多くの方に喜んでいただけるヒット商品となりました。


ーー最後に島原鉄道の利用客にメッセージをお願い!

この赤字ペンを知っていただいた機会に島原鉄道の様々な取り組みにも興味を持っていただければと思います。

弊社だけでなく地方のローカル鉄道会社はどこも経営難に苦しんでおり、鉄道事業を存続させるために各社工夫を凝らして様々な取り組みを行っています。

島原鉄道

新型コロナウイルスの影響で暗い話題が多い中、苦しい状況を逆手に取った「島原鉄道同色赤字ペン」という発想は大きな反響を呼んだ。

現在は初回生産分が完売し、次回の販売は2021年2月頃を予定しているという。オンラインショップで購入ができるということなので、気になる人はチェックしてほしい。

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