「嶺臣(れお)がいない」そう主人の声が聞こえた時には「ウソでしょ!?」って…。
今思えば、ああしておけばよかった、こうしておけばよかったと…。
わずか3分の間に…
「Mr.サンデー」の取材に対し、悲痛な思いを明かしてくれたのは、熊本・八代市の保育園児・田中嶺臣くんの母親。

6月21日、5歳の嶺臣くんは、鹿児島・霧島市の温泉施設「かれい川の湯」から忽然(こつぜん)と姿を消した。
田中嶺臣くんの母親:
私が最初にお風呂を出たあと、夫が出てきて「嶺臣は?」と聞いたら、「(嶺臣が)まだ入る」って。
夫が服を着て「嶺臣、出るよ」と呼んだ時には、もう姿がありませんでした。

貸切の「家族湯」に入ったのは、両親と2歳の弟、そして嶺臣くん。
嶺臣くんが1人残り、両親が浴室を出てから、わずか3分…。
専門家「大人が想像する以上の行動に走りがち」
いったい何が起きたのか。

「Mr,サンデー」とともに現場に向かったのは、東京消防庁の特別救助隊で人命救助の最前線に立ってきた、危機管理防災アドバイザーの田中章氏。

父親によると、着替えを終え浴室のドアに手をかけたとき、内側から鍵がかかっていたという。
5歳の嶺臣くんが内鍵を閉め、窓から外に出る可能性はあるのか?
危機管理防災アドバイザー・田中章氏:
(嶺臣くんは)お父さんがまた迎えに来るから、「ちょっと隠れちゃおう」っていう形で鍵を内鍵で閉めたのでは。大人が想像する以上のことを、行動に走りがちなのが5歳児ですから。
子どもの行方不明事案にも関わってきた田中氏は、“隠れんぼ感覚”で鍵を閉めたのではと推測。
そして、外に出たあとについては…。

危機管理防災アドバイザー・田中章氏:
こういう(草木が)生い茂っているところに隠れたいっていう気持ちはあると思うんですよ。
ただ(森側は)ちょっとこの斜面がきついですから、ここを登ってまで何か体を隠そうっていうのはちょっと考えづらいかなと思いますけど。
そこで…
危機管理防災アドバイザー・田中章氏:
子どもって結構、音とかいろんなものに反応したがるんですよ。例えばきれいな鳥の声が聞こえたりですとか、川のせせらぎが聞こえたりですとか。
窓から外へ出た可能性が考えられるという。
嶺臣くんはどこに向かったのか。
施設関係者によると、浴室の窓から地面までの高さは約1.5メートルだというが…。

田中嶺臣くんの母親:
窓のすぐ下にはエアコンの室外機があり、高さもわずか…。これなら嶺臣でも降りられると思いました。
身長120cmほどの嶺臣くんでも、十分に降りられる高さだったという。

さらに窓から、近くを流れる天降川(あもりがわ)までの距離は約8メートルあるが…。

田中嶺臣くんの母親:
窓の外に出ると坂になっていて、草木があるという報道もありましたが、実際は少し草が生えている程度でした。
窓の外は緩やかな坂で、勢い余って転落してしまった可能性も考えられるといい、田中氏も…。

危機管理防災アドバイザー・田中章氏:
川に興味がある、音がする、「きれいな川が流れてるぞ」、「何がいるんだろう」ということで走っていった可能性もありますよね。ブレーキをかけることができなくて、そのまま滑って(川の)中に落ちたという可能性はあると思います。

2025年3月に温泉施設から約100メートル上流で撮影された天降川の写真。
普段は川底まで見えるほど透明で穏やかな川だが、当日は…。
近隣住民:
(水量が)普段の3倍くらいあったかもね。その2〜3日前にだいぶ雨が降って。
雨の影響で増水し、濁りもあったという。
「Mr.サンデー」の取材に、嶺臣くんの父親は…
田中嶺臣くんの父親:
川に頭のようなものが見えました。ただ無心で嶺臣の可能性があるならと思い、何も考えずに川に飛び込んだんです。
と、とっさに川に飛び込み、泳いで嶺臣くんの行方を捜したというが、その姿は見つけることはできなかった。
行方不明から8日目。いまも手がかりは見つかっていないという。
田中嶺臣くんの母親:
「山や川は二次災害になるので入らないで」と言われているので、何もできなくて…。目視と望遠鏡で見られるところに車を止めて、ずっと川を見ています。
(情報提供は鹿児島県警霧島署0995-47-2110まで)
(「Mr.サンデー」6月28日放送より)

