文系の総合大学として歩んできた広島修道大学が、2027年春の農学部(仮称)新設に向けて準備を進めている。オープンキャンパスには多くの高校生が来場し、県内では数少ない農学部への関心の高さがうかがえた。

広島で「農学」を学びたい若者の受け皿に

6月21日、広島市安佐南区の広島修道大学で開かれたオープンキャンパス。ある学部に人だかりができていた。
高校生が並ぶ先にあったのは、2027年春に設置予定の「農学部(仮称)」を紹介する教室。入り口に「農学部(仮称)特別プログラム 体験・展示コーナー」と書かれた掲示があり、室内では昆虫や海の生物の標本が展示されていた。

多くの参加者が訪れた農学部(仮称)の説明会
多くの参加者が訪れた農学部(仮称)の説明会
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広島修道大学で理系分野を中心とした学部が設置されるのは初めてとあって、農学部(仮称)のブースには想定を上回る参加者が訪れた。
生き物が好きだという広島市内の高校生は、「あまり見たことがなかったので、新しい発見もあり興味が湧きました」と話す。

また、将来は大阪の「海遊館」で働きたいと話す高校生は、「あまり広島(市の近郊)にない学部なので」と期待を寄せていた。

三本木至宏教授は、県内で農学を学べる環境が限られていたことに触れながら、「本当は農学をやりたいんだけど、その受け皿が広島県内に少なかったことがあると思います。まさにニーズに合致した学部になるのでは」と話す。

授業体験で池のプランクトンを観察

オープンキャンパスで人気を集めたのが、農学部(仮称)の授業を想定した体験会だ。
冨田俊幸教授は「一緒に環境について考えましょう」と参加者を募り、校舎のすぐ横にある池へ案内した。

広島修道大学のキャンパス内にある池
広島修道大学のキャンパス内にある池

池の水をすくい上げ、「ほら。つぶつぶ」と見せる冨田教授。
参加者からは「あ、本当じゃ!めっちゃ多い」と驚きの声が上がった。
観察したのはプランクトン。生徒たちは池の水を入れたペットボトルを自然光にかざすなど、熱心に観察していた。

広島市内から参加した高校生
広島市内から参加した高校生

参加した高校生は、「生き物が好きなので、プランクトンが観察できるなら参加してみたいなと思いました。普通の池にいっぱいプランクトンがいるのを初めて知って、すごく面白かったです」と話す。
また別の高校生は、「説明会を聞くとフィールドワークが多そう。生物の研究を昔から目指しているので入学を楽しみにしています」と期待を寄せていた。

文系大学の強みを生かした農学部へ

広島修道大学は3年前から農学部(仮称)新設に向けた準備を進めてきた。
2024年12月、矢野泉学長は「広島という地域の特徴を生かした教育・研究とは何か。重要な食、農、生き物、環境の分野の専門性を高めていくということを決定して、農学部(仮称)の設置に取り組んでいます」と説明していた。

オープンキャンパスが開かれた広島修道大学
オープンキャンパスが開かれた広島修道大学

農学部(仮称)は、食農科学科、生物科学科、環境社会科学科(いずれも仮称)の3学科で構成される予定で、キャンパス内では新校舎の建設も進む。
県内外で大学再編の動きが進む中、広島修道大学は文系大学として培ってきた強みを生かしながら、新たな学びの形を模索している。

広島修道大学・三本木至宏 教授
広島修道大学・三本木至宏 教授

三本木教授は、農学が理系と文系の両方の視点を必要とする学問だと強調する。
「食べていかなければ生きていけませんし、それが手に入らないと食べることができない。“手に入る”というのは、理系の要素よりもやはり社会科学、文系の要素が必要です。農学というのはその両方をやっていくわけですよね。食と生物と環境の3分野を研究・教育し、若い学生に伝えていきたいと思っています」

現在、広島修道大学は農学部(仮称)の設置認可を申請中で、2027年4月の開設を目指している。

(テレビ新広島)

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