鹿児島県内の中高生17人が今夏、東南アジアの内陸国・ラオスへと旅立った。目的は国際交流。言葉も文化も異なる村での4日間のホームステイを通じて、子どもたちは何を見て、何を感じたのか。「今まで覚えてきた文化もパーになっちゃう」と戸惑いながらも、笑顔で壁を乗り越えようとする生徒たちの姿を追った。全3回シリーズの第1回。

夜明け前の鹿児島中央駅に集まった17人

7月19日、まだ夜も明けやらぬ時間帯の鹿児島市・JR鹿児島中央駅に、離島を含む県内各地から中高生17人が集結した。

JR鹿児島中央駅に集まった生徒たち
JR鹿児島中央駅に集まった生徒たち
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彼らが向かうのは東南アジアの社会主義国、ラオス。新幹線やバス、飛行機などを乗り継ぎ、約16時間半をかけての長旅だ。

出発前、生徒たちはそれぞれの意気込みを語った。別府中2年(枕崎市)の近森郷さんは「日本料理もラオスの料理も一緒に作ってみたい」と話す。陵南中1年(霧島市)の德永結咲さんは「あまり翻訳アプリは使わずに、ホワイトボードを持ってきたので、ジェスチャーや絵に描いて伝えたい」と工夫を凝らした準備を打ち明けた。

約16時間半の移動の末、たどり着いたラオス

空港に到着したころには、あたりはすっかり暗くなっていた。それでも街は活気にあふれていた。

中央中2年(屋久島町)の中島宗助さんは「全然日本と違って、バイクもたくさん通っていて面白い」と目を輝かせた。錦江湾高2年(鹿児島市)の片桐梅さんも「夜なのにすごく活発的で笑顔で話しているのを見て、『これがラオスか』と思った」と、到着早々にその国の空気を肌で感じ取った。

ラオスは人口約750万人の内陸国だ。2025年は日本との外交関係樹立70周年という節目の年にあたり、街には日本企業の見慣れたロゴも多く見られる。また、街のいたるところに寺院があり、人々が手を合わせて静かに祈りを捧げる姿が日常に溶け込んでいる。仏教が人々の暮らしに深く根付いている国だ。

ホームステイの舞台は「ホーナーニャイ村」

生徒たちがホームステイするのは、首都・ビエンチャンの中心部からバスで約50分の場所に位置するホーナーニャイ村。村民は約580人の小さなコミュニティだ。

村民たちは寺に集まり、はるばる日本からやってきた中高生を温かく迎え入れた。生徒とホストファミリーの名前が次々と呼ばれると、会場は歓声に包まれた。こうして、4日間にわたるホームステイが幕を開けた。

「成り行きでなされるがまま」 言葉の壁に戸惑う生徒も

入村式からわずか約2時間後には、早くも生徒たちの様子に差が生じていた。

指宿高1年(南九州市)の小田采和さんは、なぜかホストファミリーの子どもたちに囲まれているところを発見された。「家族の子どもが多かったから」とあっさり説明するように、すでに打ち解けた生徒もいた一方で、言葉の壁に正面からぶつかっている生徒も少なくなかった。

子供たちに囲まれる、指宿高1年(南九州市)小田采和さん
子供たちに囲まれる、指宿高1年(南九州市)小田采和さん

川内高3年(薩摩川内市)の河澄裕貴さんは散歩中に遭遇され、こう語った。「今、過去で一番ピンチ。今まで覚えてきた文化もパーになるくらい言葉のスピードも量もすごい」。なぜ散歩しているのかと問われると、「ここに来てから成り行き、なされるがままです」と苦笑いを浮かべた。

舞鶴中1年(霧島市)の金丸京史朗さんも「思ったより英語が通じなかった」と率直に明かした。

ジェスチャーと笑顔で壁を乗り越える

それでも、壁にぶつかりながら自分なりの方法を見つけている生徒もいた。

中央高3年(鹿児島市)の藤田結愛さんは、コミュニケーションの秘訣をこう語る。「ニコニコしてジェスチャーを使って大げさにして。『ありがとう』は手を合わせて、ぷかぷかとしたら伝わる」。そして4日間の見通しを問われると、「全然、心配ないです!」と力強く答えた。

出発前に「翻訳アプリに頼らずジェスチャーや絵で伝える」と宣言していた徳永さんの心意気と重なるように、生徒たちはそれぞれのやり方で現地の人々との距離を縮めようとしていた。

異文化の中で始まった4日間

大笠中2年(南さつま市)の窪古詠さんが、同行する記者の仕事を真似て「以上がラオスからの中継でした!」と茶目っ気たっぷりに報告する一幕もあり、緊張と楽しみが入り交じる雰囲気の中、ホームステイの初日は過ぎていった。

日本との時差は2時間。物理的な距離は遠くとも、交流の熱量は国境を超える。言葉が通じなくても笑顔とジェスチャーで打ち解けようとする生徒たちの姿は、国際交流の原点を改めて教えてくれる。

次回・第2回では、現地の子どもたちとの交流の様子をお伝えする。

【動画で見る▶【ラオス滞在記】英語も通じない、文化も違う 鹿児島の中高生17人がラオスの村でホームステイ 温かい歓迎に笑顔】

鹿児島テレビ
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