夏が近づき、少しでも涼を感じたい季節。暮らしに観葉植物を取り入れる人が増えている。
植物は癒やしをもたらすだけでなく、ストレス軽減や仕事の能率向上など、心身への効果も注目されている。

おうち時間が増える夏、室内に緑を

広島市佐伯区の園芸店「Soraniwa広島楽々園店」。2025年10月にオープンし、観葉植物や庭木など幅広く取り扱っている。

広島市佐伯区の園芸店「Soraniwa広島楽々園店」
広島市佐伯区の園芸店「Soraniwa広島楽々園店」
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店長の重富眞有さんは、夏になると室内で植物を楽しむ人が増えるという。
「最近は暑くて家で過ごす時間が長くなっていますし、外のガーデニングを控える人も多いので、おうちの中で植物を楽しもうという方が増えています」
風に揺れる葉や鮮やかな緑は、見ていると涼しさを感じさせてくれる。

Soraniwa広島楽々園店・重富眞有 店長
Soraniwa広島楽々園店・重富眞有 店長

重富店長が初心者に勧めるのは「ガジュマル」。
「あまりお水をあげなくてもいいので、初めての人が最初に手に取る植物ナンバー1じゃないかなと思います」

インテリアとして選ぶなら、「ゴムの木」が育てやすいという。
「葉が薄いものはしっかり明るい部屋で育ててもらいたいですが、葉が分厚いゴムの木は暗いところでも育つので、部屋のどこに置いてもいいと思います」
生育が良く、種類によっては日当たりや置き場所をそれほど気にせず育てられるのも魅力の一つだ。

土に植える必要がないエアプランツ
土に植える必要がないエアプランツ

また、土が不要でオブジェのように飾れるエアプランツも人気。土による汚れや衛生面を気にする人でも、テーブルやカウンターの上で手軽に楽しめる。

さらに、葉がピンク色の植物やスイカ柄の植物など、〝こだわりたい〟人向けの観葉植物も取り揃えている。重富さんは「植物はおうちの暮らしを豊かにする大事なキーワード。お気に入りを1つ、2つ見つけてもらえたらうれしいです」と話す。

マニアを魅了する食虫植物の世界

広島県内には、少し変わった植物を扱う農園もある。食虫植物を全国や海外にネット販売する「山田食虫植物農園」だ。

二枚貝のような葉をもつハエトリソウ
二枚貝のような葉をもつハエトリソウ

「2回触れたら閉まる構造になっているんです」
山田眞也社長がハエトリソウの葉の内側を軽く刺激すると、獲物を挟み込むようににぴたりと葉を閉じた。

ツボ型の袋に虫を取り込むウツボカズラ
ツボ型の袋に虫を取り込むウツボカズラ

この農園で最も注文が多いのが、熱帯アジアを中心に分布する「ウツボカズラ」だ。
特に高山地帯に生息するウツボカズラを育てる農業用ハウスは、年中を通して涼しい環境が必要なため冷房で管理されていた。
ウツボカズラの袋の中には消化液がたまっている。袋の入り口は虫が足を滑らせやすい構造になっていて、虫が袋に落ちると消化される仕組みだ。
約180種類あるというウツボカズラ。交配が難しく、交配させた種を発芽させたものは海外からも注文が多く寄せられている。

山田社長にとって、食虫植物の魅力は「見た目が変わっているところ」だという。
初心者向けの植物から、奥深い世界に魅せられたマニア向けの品種まで、植物の楽しみ方は幅広い。

涼を感じさせる“小さな森”

そして、いま人気上昇中なのが「コケテラリウム」。

大自然をぎゅっと閉じ込めたような「コケテラリウム」
大自然をぎゅっと閉じ込めたような「コケテラリウム」

広島駅ビルの商業施設「ミナモア」にある「アクアリウムトールマン」では、手のひらサイズの小さなものから取り扱っている。
コケテラリウムとは、透明なガラス容器の中にコケを植え付け、小石や流木などを加えて“大自然のミニチュア”を育てる園芸スタイルのこと。ふたをして管理する場合、水やりは週に1回から2週間に1回程度。霧吹きでしっかり土を湿らせることがポイントだ。

この店では定期的にワークショップを開催し、コケテラリウムづくりを体験できる。
そこで、中西敦子アナウンサーが挑戦した。
「私、地元が東広島で自然の中で育ってきたんですよ。その東広島の自然を再現したいなという思いがあって」

コケテラリウムづくりに挑戦
コケテラリウムづくりに挑戦

グラスの中に流木や石を配置し、ピンセットでコケを少しずつ敷き詰めていく。
「コケの中からチラッと木が見える感じでもいいですか?」
「そうですね。自然っぽさが出ると思います」
最後に生き物の飾りを置くと、中西アナの自信作が完成!

中西アナ作「東広島のあの景色」
中西アナ作「東広島のあの景色」

「いい感じじゃないですか?かわいい!タイトルは『東広島のあの景色』」
齋藤宏恭店長も「自分の手の中に自然、すばらしい作品だと思います。ぜひデスクに置いてください」と拍手を送った。

数分間見るだけでストレス軽減?

視覚的に涼しさを感じさせ、癒しを生む「植物の力」。ある効果も注目されている。

兵庫県立大学大学院・豊田正博 客員教授
兵庫県立大学大学院・豊田正博 客員教授

兵庫県立大学大学院・緑環境景観マネジメント研究科の豊田正博客員教授が提唱するのが、植物を数分間眺める「ネイチャーブレイク」という休息方法だ。
「植物という、人にとって安全で安心できるものを見る時間をつくることで、『頭の中でストレスフルなことを考えない時間』が生まれます。短期的には慢性的なストレスを予防し、仕事の能率も上がってきます」
長期的には、生活習慣病やうつ病、認知症の予防につながるという。

暑さが厳しくなるこれからの季節。窓辺の観葉植物やデスクの上の小さな森、そして独特な魅力を放つ食虫植物など、お気に入りのグリーンが心に涼しい風を運んでくれるかもしれない。

(テレビ新広島)

テレビ新広島
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