紫外線対策というと美容目的だと思われがちですが、肌の健康を守るうえでとても重要です。

肌老化の大きな要因は年齢そのものよりも紫外線の影響が大きいといわれています。

紫外線を浴びるメリットとしてはビタミンDの生成がありますが、それはサプリメントなどで補うことも十分可能。美容・肌の健康という観点では、紫外線対策はしておくほうが安心です。

自宅でも避難所でも、「屋内だから大丈夫」と考えてしまう方が少なくないと思いますが、屋内にも窓から紫外線が入り込み、地面や建物からの反射光もあるため油断は禁物です。

UVケアを怠ると、通常の生活に戻った際に肌の老化を感じてしまう可能性もあります。在宅避難でも避難所生活でも、忘れずにUVケアをしましょう。

普段から日焼け止めを使用している人は、継続して使っていただいてかまいません。

一方、これまでUVケアを意識していなかった人は、スティックタイプの日焼け止めを非常用持ち出し袋に入れておくと便利です。

スティックタイプの日焼け止めが便利(特集班撮影)
スティックタイプの日焼け止めが便利(特集班撮影)

手を汚さずに塗れますし、手軽に塗り直しできます。また、子どもなどにも手早く塗ってあげられるので、備えておくのがお勧めです。

日頃のスキンケアが、非常時の肌を守る

災害時に水が使えなくなった際のスキンケアは、実際に経験してみないと難しさがわかりません。

必要な量や使い心地、自分に合う製品を把握するためにも、月に1回程度、ウェットティッシュによる洗顔、オールインワンジェルによる保湿、スティックタイプの日焼け止めによるUVケアを試してみていただきたいです。

また、非常用持ち出し袋に入れるスキンケア用品は、ローリングストックを心がけましょう。余分に購入しておき、普段使いしながら新しいものと入れ替えていく方法です。

国内メーカーの化粧品は、未開封で適切に保管されていれば、一般的に約3年間品質が保たれるよう設計されています。ただし、一度開封したものは品質の劣化や容器破損による漏れなどの可能性があるため、非常用持ち出し袋には未開封品を入れましょう。

そして何より、普段からスキンケアを習慣にしておくことが大切です。日頃から肌の状態を整えておけば、災害時に十分なケアができなくても、肌トラブルが起きにくくなります。

非常時だからこそ特別なことをするのではなく、普段の延長線上で続けられる備えをすることが、結果として肌を守るのです。

伊熊奈美(いくま・なみ)
日本毛髪科学協会 毛髪診断士指導講師。女性誌で美容記事の編集・執筆・監修に25年以上携わる。著書に『いい白髪ケア、やばい白髪ケア』(小学館)、「脱白髪染めのはじめかた」(グラフィック社)など。

取材・文=内山直弥

伊熊奈美
伊熊奈美

日本毛髪科学協会 毛髪診断士指導講師。女性誌で美容記事の編集・執筆・監修に25年以上携わる。生活者視点の美容メソッドを提案し、各メディアでの執筆、監修のほか、TV出演や講演登壇も多数。著書に『いい白髪ケア、やばい白髪ケア』(小学館)、「脱白髪染めのはじめかた」(グラフィック社)など。