災害時に水が止まってしまうと、日常生活のさまざまな場面に影響が及ぶ。

なかでも、見落とされがちなのが「髪と頭皮のケア」。水が使えず髪を洗えない状況は我慢できないという人も少なくないはずだ。

しかし、頭皮環境の悪化は不快感だけでなく、嫌な臭いやかゆみなどの原因にもなり得る。

毛髪診断士指導講師の資格を持つ美容ジャーナリスト・伊熊奈美さんに、災害時に役立つヘアケアの方法について聞いた。

災害時でも頭皮ケアは重要

災害時にヘアケアをする目的は、余分な皮脂や汚れを落とし、頭皮環境を整えることにあります。

頭皮は体の中で最も皮脂の分泌が盛んな部分です。この皮脂は頭皮を乾燥から守る大切な役割を担っていますが、時間が経つと空気に触れて酸化しやすくなります。

酸化した皮脂は、放置すると雑菌繁殖の要因になってしまいます。かゆみや炎症の原因になるだけでなく、頭皮環境の悪化によって、健やかな毛髪の成長にも影響を及ぼす可能性があるのです。

また、繁殖した雑菌は頭皮特有の嫌な臭いの原因にもつながります。ベタつきによる不快感も強く、ただでさえストレスの多い災害時には、心身の負担をさらに大きくしてしまうでしょう。

酸化した皮脂は嫌な臭いの原因に(イメージ)
酸化した皮脂は嫌な臭いの原因に(イメージ)
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そのため、「髪を洗う」ことにこだわる必要はありませんが、非常時であっても「余分な皮脂を除去する」という視点でのケアは、できる範囲で行うことをお勧めします。

水もドライシャンプーも使えない場合は「ブラッシング」

水が使えない場合のヘアケアとしてお勧めなのは、ドライシャンプーというアイテムです。スプレーやミスト、ジェルタイプなど多くの形状があります。

外出時に汗をかいたときなどに便利なので、最近、ドラッグストアなどで多く扱われるようになりました。中でもシートタイプのドライシャンプーは頭皮を直接拭くことができるため、汚れを物理的に取り除きやすいですし、液漏れの心配が少なく持ち運びもしやすいので防災用品として最適です。

しかし、災害時に必ずしもドライシャンプーが手元にあるとは限りません。