ただし、除菌用などのアルコール濃度が高いウェットシートは頭皮への刺激となる場合があるためノンアルコールタイプを選ぶようにしましょう。
拭き方は、シートで髪の上から拭くのではなく、頭皮に直接触れるようにして頭全体を満遍なく拭いてください。
また、個人的には爽やかな香りやクールな感触のあるボディーシートもおすすめです。皮脂や汗を取り除けるだけでなく、ひんやりとした清涼感が得られ、暑い時期の避難生活では気分転換にもなります。
特に夏場の避難所生活では、暑さによるストレスや不快感が大きくなります。身体を拭くついでに頭皮もケアすることで、ストレスを軽減できるでしょう。
非常時にトリートメントやコンディショナーは必要?
普段から、シャンプー後にトリートメントなどで髪をケアする人は多いはずです。災害時も同様にトリートメントが必要なのでは?と考える人がいてもおかしくありません。
ただ、結論からいうと、非常時に優先すべきなのは頭皮ケアです。
シャンプーは頭皮の汚れや皮脂を落とすためのものですが、トリートメントやコンディショナーは髪そのものを保護するためのもの。
断水時に問題となるのは頭皮環境であり、髪のダメージではありません。
そのため、水や物資が限られている状況では、トリートメントやコンディショナーを無理に使う必要はありません。毛先のパサつきや広がりが気になる場合は、洗い流さないトリートメントを使用するのもひとつの方法です。
水を使わないヘアケアはあくまで応急処置
断水時に行うブラッシングやドライシャンプー、ウェットシートによるケアは、あくまでも応急処置です。
災害時には食料や飲料水の備蓄に意識が向きがちですが、頭皮や髪のケアも生活の質を支える大切な要素です。
ウェットティッシュやヘアブラシを防災用品のひとつとして備えておくことが、非常時の快適さにつながるでしょう。
伊熊奈美(いくま・なみ)
日本毛髪科学協会 毛髪診断士指導講師。女性誌で美容記事の編集・執筆・監修に25年以上携わる。著書に『いい白髪ケア、やばい白髪ケア』(小学館)、「脱白髪染めのはじめかた」(グラフィック社)など。
取材・文=内山直弥

