低体温症の恐ろしさ
人間の体内の温度は約37℃です。この平熱からたった5℃低下するだけで低体温症の症状が出始めます。最初の段階では“ガタガタ震える”といった症状があり、この段階では電気毛布や暖房などで温めるという対処方法がありますが、災害時には難しいことです。
さらに、体温が低下すると震えが止まり意識がなくなってしまい、医療従事者による対処が必要になります。災害時は医療リソースも不十分であるため、とにかく体温が下がらないようにすることが大切です。
令和4年に北海道庁が公表した【日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震の想定について】によれば、冬の深夜に巨大地震が発生した場合の低体温症要対象者の数は千島海溝モデルの場合、15,000人、日本海溝モデルの場合、66,000人とされています。
これは、津波が想定されているエリアでの推計値で、暖房が使えない避難所での低体温症要対象者の数は含まれていません。
一般的な津波避難タワーは、防寒・防風対策が十分ではありません。津波警報が解除されるまでの間、タワーの上に留まるとすると、服が濡れている場合は低体温症のリスクが高いです。
温暖な地域に住んでいる方は低体温症とは無関係と考えてしまいますが、実際にはそうではありません。
体感気温は現在の気温から風速1mにつき1℃低下します。また服が濡れている場合は、そこからさらに10℃低下します。つまり、気温が15℃で風速5mの風が吹いているときに、服が濡れてしまうと0℃の場所にいるのと同じことになります。
避難の途中で服が濡れてしまった状態で、避難タワーや高台にたどり着いても着替えはありません。
