指宿市の畜産加工会社・水迫畜産が不正表示した牛肉をふるさと納税の返礼品として提供していた問題で、当初の補償案がわずか「500円から1000円の金券」だったことが明らかになった。伊仙町の伊田正則町長は「伊仙町に思いをもって納税してくれた人に対する対応とは到底思えなかった」と憤りをあらわにしたが、5月18日の面談を経て、水迫畜産は返礼品と同等の商品または同額の金券での補償へと方針を転換した。
水迫社長と財宝の担当者が役場を訪問し直接謝罪
18日午前10時ごろ、水迫畜産の水迫栄治社長と、返礼品事業者である鹿屋市の財宝の担当者らが伊仙町役場を訪れ、伊田町長に対して直接謝罪した。
水迫社長は「大きなご迷惑をおかけしました。本当に申し訳ございませんでした」と頭を下げた。
伊仙町のふるさと納税返礼品は、鹿屋市の財宝が水迫畜産の商品を仕入れる形で提供する仕組みとなっており、今回の不正表示があった牛肉の申込件数は485件、寄付額は約560万円にのぼる。
当初案は「500円か1000円の金券」——町長が異議
補償をめぐっては、対象となる8市町の多くが返礼品と同等の商品、または金券での対応を求めていた。しかし伊田町長は、面談の前段階で水迫畜産側から全く異なる提案がなされていたことを明かした。
「(最初の回答は)500円の金券と1000円の金券という対応だった。伊仙町に思いをもって納税してくれた人に対する対応とは到底思えなかった」
寄付者が地域への思いを込めて選んだ返礼品に対し、数百円規模の金券で補償しようとしていた当初の姿勢は、問題の深刻さに見合わないものだったといえる。
18日の面談で補償方針が一転
町長の強い意思を受け、水迫社長は18日の面談の場で補償方針を改めた。
「返礼品の同等品あるいは返礼品と同額の金券で対応していく方向で協議をした。できるだけ早く始めたい」

この言葉を受けて伊田町長も「今日話を聞いて他の市町村と同等の対応をしてくれるということで少し安心した。二度と納税者の思いを裏切ることがないようにお願いした」と述べ、一定の前進があったことを認めた。
ふるさと納税は、寄付者が地域を応援したいという気持ちを形にする制度だ。今回の問題はその信頼を根本から損なうものであり、補償の速やかな実施と、再発防止への具体的な取り組みが求められる。
(動画で見る▶不正表示牛肉めぐる補償 水迫畜産が当初「500円~1000円の金券」提案 伊仙町長「思いをもって納税してくれた人への対応とは到底思えない」)
