・ハンディーファン
顔に風をあてていると、涼しいと感じるものです。しかし、風をあてて汗を蒸発させすぎてしまうと、かえって深部体温が上がることがあります。

本来は汗によって気化熱という現象が起き、体の熱が自然と放散されます。その汗を素早く蒸発させてしまうと、体内に熱がこもってしまうというわけです。

・ネッククーラー
首には温度を感じる受容器があるので、冷やすと気持ちよく感じます。しかし、首を冷やしても深部体温は下がりません。

首を冷やすことで脳が「涼しいからもっと活動できる」と勘違いして、過度な活動を行い、体がオーバーヒートしてしまうというリスクがないとはいえません。

(イメージ)
(イメージ)

ハンディーファンやネッククーラーを使えば、熱中症にならないわけではありません。一時的に涼を感じるものとして、補助的に使用しましょう。

そもそも深部体温を上げないため、日差しや輻射熱を防げるような帽子・衣類を取り入れ、日光を直接浴びないことも大切です。

長谷川 博(はせがわ・ひろし)
広島大学大学院人間社会科学研究科教授。日本スポーツ協会「スポーツ医科学専門委員会スポーツ活動中の熱中症事故予防に関する研究プロジェクト」班員、国立スポーツ科学センター「東京オリンピック特別プロジェクト」研究員などを務める。

構成=有竹亮介

長谷川博
長谷川博

広島大学大学院人間社会科学研究科教授。横浜国立大学大学院教育学研究科修了(体育学修士)。東京都立大学大学院理学研究科修了(理学博士)。運動生理学を専門として、運動及び環境ストレス時における生体反応や身体の適応反応について生理学的手法を用いて分析している。研究のキーワードは、熱中症予防、暑さ対策、身体冷却、体温調節、スポーツパフォーマンス。日本スポーツ協会「スポーツ医科学専門委員会スポーツ活動中の熱中症事故予防に関する研究プロジェクト」班員、国立スポーツ科学センター「東京オリンピック特別プロジェクト」研究員などを務める。