春から夏にかけての心地よい季節の変わり目には、思わぬ危険が潜んでいる。それが、熱中症だ。本格的な暑さになる前に、予防のために心掛けるべきことがある。
体が熱さに慣れていない春は熱中症の高リスク
福井では4月下旬にかけて気温が大きく上昇する見込みで、最高気温は28度まで上がると予想も出ている。
このように急激に気温が上昇する際に気をつけなければならないのが「熱中症」だ。
熱中症とは、気温や湿度が高い環境の中で体温の調整がうまくいかず体に熱がたまってしまうことで、健康に支障をきたす症状を指す。
特に、体がまだ暑さに慣れておらず急に暑くなるこの時期は熱中症のリスクが高まる。
本格的な夏が来る前に、私たちはどのように備えればよいのか専門医に話を聞いた。
取材に応じてくれた田中病院・内科の吉田正博医師は「いきなり暑い日は熱中症になるリスクがあるので注意が必要」と警鐘を鳴らす。
熱中症のリスクは単に気温が高いことだけが原因ではない。「気温の大きな変化」こそが注意すべき点だと指摘する。
少しずつ汗をかくトレーニング「暑熱順化」を
具体的にどうすれば熱中症を予防できるのか。
いきなり高い気温の中で活動するのではなく、少し気温が高くなった段階で体を慣らしたり、動かしたりすることが大切だという。
少しずつ汗をかく練習をする、というのがポイントだ。
「熱中症にならないように汗をかくこと。汗をかくことによって体温の調整をする機能を高めることができる」(吉田医師)
吉田医師が勧めるのは「暑さに体を慣らす」こと。これを「暑熱順化」と呼ぶ。ジョギングやウォーキングといった軽い運動で汗をかき、急激に体温を上げないように血流を良くすることが、この時期には重要となってくるのだ。
激しい運動ではなく、ウォーキングやストレッチなどの軽い運動を20分から30分ほど行うのが効果的。また、入浴でも体を慣らすことができる。
個人差はあるが、1週間から10日程度続けると良いとされている。
特に注意が必要なのは…
熱中症には、特に気をつけたい世代があると吉田医師。「高齢者や生理機能が十分に備わっていない子供たち、あるいは糖尿病や皮膚病の方はハイリスク」
実際に去年、福井県内で熱中症により救急搬送された人の世代別割合を見ると、65歳以上が半数以上の58.7%を占めている。
高齢者は汗をかきにくかったり、暑さを感じにくかったりする傾向があるという。
例年、ゴールデンウィークの頃には30度を超える真夏日となる日も出てきます。
本格的な暑さが訪れる前に、まずは汗をかく準備を始めること。暑さに強い体作りで、熱中症のリスクを減らしていきましょう。
