福岡県議会で議長と副議長を務めた県議2人が、就任前に自民党県議団の幹部の要求に応じ多額の現金を支払ったと証言した問題について、県議会の“ドン”がインタビューに応えた。
「金銭の話は一切ございません」 「心外であります」
7月8日、テレビ西日本報道部の取材に応じた蔵内勇夫・福岡県議会議長(72・筑後市選出 当選10回)。取り沙汰されている金銭の授受について否定した。
記者) 吉松県議が、正・副議長ポストを巡って「金銭の要求があった」と告発したが―。
蔵内勇夫・福岡県議会議長(以下、蔵内議長) 吉松議員と中尾副議長が対立しているので、議長としてこの時点でコメントは控えさせて頂きたいと思います。
記者) 吉松議員の告発のほかに“金銭のやり取り”を聞いたことは。
蔵内議長) 私、2001年に1度、昨年2度目、議長選挙に立候補をいたしました。金銭の話は一切ございません。

記者) 吉松県議によると『蔵内会』と銘うったゴルフでその金銭が使われていたと。2020年の6月には当時の蔵内会長が400万円を立て替えているので、それを支払ってくれ、という話があるが、実際に立て替えは。
蔵内議長) ございません。『蔵内会』とか『マスターズ』という話が出ておりますが、これは全くプライベートな友人の会でございまして、そういった金銭云々の会ではございません。(ゴルフの場で金銭を立て替えることは)一括で誰か担当者が払って、後で割り勘で精算をすると、こういう仕組みになっています。全て割り勘です。(400万円という金額は)初めて聞いて、驚いております。

記者) それは金額の高さという意味か。
蔵内議長) ああいう場にそういう話が持ち込まれるだけでも、私は心外であります。
高級料亭での“お車代”50万円
記者) 吉松議員は、高級料亭での“お車代”として50万円を、その場の自民党県議団の幹部に支払ったと話している。蔵内さんの名前もあるが。

蔵内議長) 当時、何回もあの料亭には行っております。で、昨日、吉松さんの会見を聞いていましたけど、若干こう…、時期等、勘違いされているところもあるのではないかと思いました。というのは、我々5人、招待を受けましたんで、1人10万円ずつお祝いを包んで、松本県議が吉松県議に渡したと、こういうことは聞いております。

記者) 吉松議員と中尾副議長との発言が食い違っているが。
蔵内議長) 2人が今、言い合っているところで…、実は、県議会で全体調査をすることを、先ほど議会事務局に指示をいたしましたんで、このなかで全員に聞き取りが行われることになると思います。そういった結果を踏まえて判断をしたいと思います。
記者) 正・副議長のポストを巡って金銭のやり取りがあったということが事実であれば、どう思うか。
蔵内議長) 全く、これはまかり通らないことでございます。

記者) 吉松県議からは、音声の録音データのなかで、中尾・現副議長とみられる人物とのやり取りがあったが。
蔵内議長) 音声データの技術的なものは、私は分かりません。素人ですから。
記者) 中尾さんも、自分の声に似ている、というようなことは話しているが。
蔵内議長) 分かりません。
「『汗をかく』は隠語ではない」
記者) 吉松県議は「汗をかく」という言葉が金銭の隠語だと。
蔵内議長) 彼の受け止めでしょうね。「汗をかく」というのは、先輩にいろいろ教えを乞うとか、あるいは同期でみんなの面倒をみるとか、議員でございますから、そういったことを「汗をかく」というのであって、隠語で使われているとは思いません。

記者) 言葉は使われていたが、そういう金銭の隠語ではないと。
蔵内議長) はい。金銭的なことなんかやったことないんだから。たまに飯を食べに行こうと言って私が奢ることはありますけども。また向こうも返してくれますんでね。
記者) 食事の場などでは、例えば中尾さんは“男気”という言葉も使っていたが、ご自身としては―。
蔵内議長) 中尾副議長は、“男気”を出す方だからね。基本的にそういった時は割り勘です。回数が多いですから。
「そういう文化はとっくにない」
記者) 県議会の調査は全員が対象か。
蔵内議長) 僕、去年、選挙やってんだよね。ということは、今の現職の県議は、みんな参加しているわけだから、この時どうだったのか、ということを僕は全員に聞きたいと思っています。しかもこれは内々の調査ではなく、聞き取りではなくてね、弁護士さんなり、それなりの方に調査をやって頂きたいと。そういうことをきょう、議会事務局長に申し上げました。

記者) 蔵内さんが2度、議長になった時に金銭のやり取りはなかった、ということだが、県議会のキーパーソンという立場でも、本当に知らなかったか。
蔵内議長) もう、そういう文化はとっくになくなっていますよ、福岡県議会。
記者) 昔はあったのか。
蔵内議長) 知りません。
記者) 仮に、もしこれが事実だと発覚した場合は、どういう対処をするのか。
蔵内議長) 仮定の話には今、お答えできません。
「明日からまたアメリカに」
記者) これから県議会をどう変えていくか。
蔵内議長) 9月までに抜本的に議会改革をやると。で、古い慣習を見直すというなかに、こういった問題も整理をしていかなきゃいかんと思っています。
記者) 外部の有識者の検討自体も、それも9月で。
蔵内議長) いや、もうすぐスタートさせるよ。
記者) 結論自体を9月に得る予定か。
蔵内議長) うん、もう明日からアメリカ行かなきゃいかんから、帰ってくるまでに調査を終わっとってもらいたいと思っていますね。
記者) 県民に不安や不信感を与えてしまっていることに関しては、議長としてどう受け止めているか。
蔵内議長) 大変、申し訳ないと思っています。これは反省しています。だから、しっかりとした調査をやって、県民の皆さん方に報告をしたいと。
「どこでああなっちゃたんだろう」
記者) 蔵内さんは2回目の議長。これまでの経歴等を考えると県議会の重鎮とも呼ばれているなかで、ほかの議員は…
蔵内議長) 周りがそういう見方をされているわけであって、私がドンだとか重鎮だとか、そういう思いで県政を動かしてはおりません。

記者) 議長になるには1000万、副議長になるには500万という噂もあるが。
蔵内議長) 全く噂でありまして、私、2回、議長選挙に出ましたが、一切そういったことはございません。
記者) この件があってから吉松議員とは直接、話をしたか。
蔵内議長) 顔を合わせてくれません。なんとなくね、もう政争になっちゃってさ。
記者) 直接話をしたいと。
蔵内議長) うん。僕が思っても、向こうが話してこないんじゃないのかな。僕は彼をね、育ててきたつもりなんだ。彼はね、地元のJR篠栗線と福岡市地下鉄の相互乗り入れ、これをやるのが自分の仕事だとずっと言っていた。だから、それをやるために議長になりたいと。そのために議運の委員長にもなりたいと言うから、私は支援をしてきたんですよ。どこでああなっちゃったのかね、残念です。
(テレビ西日本)

