天皇皇后両陛下は、6月13日から26日までオランダとベルギーを国賓として訪問されました。お二人そろって2カ国を訪問されるのは24年ぶりです。最初の訪問国オランダでは、親密な交流を重ねてきた王室との絆をさらに深められました。

歓迎式典会場で日本の子どもと交流も

オランダ滞在5日目。両陛下は、首都・アムステルダムの王宮前広場で、ウィレムアレクサンダー国王夫妻とともに歓迎式典に臨まれました。多くの市民が集まった広場で、儀仗隊の栄誉礼を受けられた陛下。

6月17日 歓迎式典(オランダ・アムステルダム王宮)
6月17日 歓迎式典(オランダ・アムステルダム王宮)
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皇后さまはその様子をマキシマ王妃と見守られました。

栄誉礼をご覧になる皇后さまとマキシマ王妃
栄誉礼をご覧になる皇后さまとマキシマ王妃

広場で両陛下を歓迎したのは、現地の日本人学校の子どもたち。両陛下は「オランダに何年いますか」「生活には慣れましたか」などと声を掛けられました。

6月17日 記念撮影を提案しポールのロープを外すウィレムアレクサンダー国王
6月17日 記念撮影を提案しポールのロープを外すウィレムアレクサンダー国王

ここで、自らポールのロープを外し、記念撮影を提案した国王。その気さくな一面に、両陛下は笑顔を見せられていました。

6月17日 日本人学校の子どもたちと記念撮影
6月17日 日本人学校の子どもたちと記念撮影

歓迎式典のあと、両陛下は広場に建つ「戦没者記念碑」に供花されました。
先の大戦で、旧日本軍はオランダ領だった現在のインドネシアに侵攻。軍人を捕虜にし、多くの民間人が抑留されました。

戦没者記念碑(王宮前広場)
戦没者記念碑(王宮前広場)

平成12年、上皇ご夫妻はこの記念碑に花を手向け、長い黙とうを捧げられました。ご夫妻の姿勢に、戦後も強く残っていた反日感情が徐々に和らいだといいます。

6月17日 戦没者記念碑で黙とうを捧げられる両陛下
6月17日 戦没者記念碑で黙とうを捧げられる両陛下

儀仗隊や市民などが見守る中、記念碑に進まれた両陛下。1分半にわたり黙とうし、心を込めて祈りを捧げられました。

愛子さまが遊んだ王女と“再会”

この日の夜、国王夫妻が主催する晩さん会が行われました。

6月17日 晩さん会に出席された両陛下
6月17日 晩さん会に出席された両陛下

88歳のベアトリクス前女王、国王夫妻の長女で皇太子のアマリア王女、三女のアリアーネ王女など国王一家が出席し、両陛下は旧交を温められました。

 晩さん会でスピーチされる陛下
 晩さん会でスピーチされる陛下

スピーチに立った陛下は、両国の友好と交流の歩みを振り返った上で、戦争の苦難の歴史にも触れ、「私たちは絶えず謙虚に過去の歴史から学び、人々の痛みや悲しみに寄り添って耳を傾け、悲しみを繰り返さないよう、悲惨な体験や苦労を後の世代に伝えていかなければなりません」と述べられました。

6月14日 国王夫妻とW杯サッカーをご観戦(提供:オランダ王室)
6月14日 国王夫妻とW杯サッカーをご観戦(提供:オランダ王室)

そしてこの3日前に愛犬・マンボを連れた国王夫妻とともにサッカー・ワールドカップの日本対オランダ戦をテレビ観戦したことを紹介し「大変良い試合となり、ピースフルな結果にホッとしました」と話されると、会場が笑いに包まれました。

国王夫妻の長女・アマリア王女
国王夫妻の長女・アマリア王女

現在、22歳のアマリア王女。両陛下が王女と再会されたのは、平成18(2006)年にご一家でオランダで静養して以来、20年ぶりです。当時、愛子さまは4歳、アマリア王女は2歳でした。

平成18(2006)年8月 愛子さまとアマリア王女
平成18(2006)年8月 愛子さまとアマリア王女

王女は、一緒に遊んだ愛子さまが、現在どうしているか尋ね、懐かしがっていたということです。

国王の母校や昭和天皇ゆかりの名画も

滞在中、陛下は、国王夫妻の案内で様々な施設を視察されました。
国王の母校でもある、オランダで最も古いライデン大学に到着すると、出迎えた学生たちから歓声が上がりました。

6月18日「汗の間」で国王のサインをご覧に(ライデン大学)
6月18日「汗の間」で国王のサインをご覧に(ライデン大学)

案内された「汗の間」と呼ばれる部屋では、学生が冷や汗をかきながら最終試験の結果を待ったといいます。学生時代、この部屋で試験結果を待ったという国王に、陛下は「汗はかいたの?」とユーモアを交えて尋ね、「暑い日だったので、汗かきましたよ」という答えに笑顔を見せられていました。

「汗の間」に書かれた ウィレムアレクサンダー国王のサイン
「汗の間」に書かれた ウィレムアレクサンダー国王のサイン

「汗の間」の壁は、卒業生のサインで埋め尽くされています。そこには国王のサインもあり、自らそのサインを紹介すると、陛下は「本当だ」と大きくうなずかれていました。

6月18日 学生らとご懇談(ライデン大学)
6月18日 学生らとご懇談(ライデン大学)

陛下は、キャンパス内で学生らとも交流し、日本美術を学ぶ学生に「なぜ興味を持ったのですか?」などと質問されていました。

6月17日 国王と治水の研究施設・デルタレスをご視察(アムステルダム)
6月17日 国王と治水の研究施設・デルタレスをご視察(アムステルダム)

水問題の研究がライフワークの陛下。同じ問題に取り組む国王とともに、アムステルダムにある治水の研究施設・デルタレスに足を運ばれました。人工的に世界最大の波を起こす実験装置をご覧になり、その仕組みについて熱心に質問されていました。

6月18日 国王や首相とフェルメールの「真珠の耳飾りの少女」などをご鑑賞(マウリッツハイス美術館)
6月18日 国王や首相とフェルメールの「真珠の耳飾りの少女」などをご鑑賞(マウリッツハイス美術館)

オランダの美術作品も多数、鑑賞された陛下。
ハーグのマウリッツハイス美術館では、国王やイェッテン首相とともに、フェルメールの名画「真珠の耳飾りの少女」などをご覧になりました。

6月18日 マキシマ王妃とレンブラント「夜警」をご鑑賞(アムステルダム国立美術館)
6月18日 マキシマ王妃とレンブラント「夜警」をご鑑賞(アムステルダム国立美術館)

そして、アムステルダム国立美術館では、マキシマ王妃の案内で、現在修復しているレンブラントの「夜警」をご覧に。

昭和46年 「夜警」を鑑賞する昭和天皇と香淳皇后(提供:The National Archives of the Netherlands)
昭和46年 「夜警」を鑑賞する昭和天皇と香淳皇后(提供:The National Archives of the Netherlands)

この絵は、昭和46(1971)年、昭和天皇と香淳皇后も鑑賞しています。陛下は、オランダを代表する名画の数々を堪能し、「たくさん見られてうれしかった」と喜ばれたということです。

欧州最大級の小児がん施設へ

両陛下は、6月19日、国王夫妻とともにユトレヒトにあるマキシマ王妃が支援を続ける小児がんセンターを訪問されました。この病院は、小児がんの治療や研究を行うヨーロッパ最大の拠点です。

6月19日 通院する日本人の女の子からブーケを受け取られる皇后さま(プリンセスマキシマ小児がんセンター)
6月19日 通院する日本人の女の子からブーケを受け取られる皇后さま(プリンセスマキシマ小児がんセンター)

多くの患者や家族から歓迎を受けられた両陛下。皇后さまは、通院している日本人の女の子からブーケを受け取り、「素敵なお花ね」と声を掛けられ、陛下は「異国の地での治療は大変でしたでしょう」と家族を気遣われていました。

6月19日 マキシマ王妃の通訳で患者の女の子に声を掛けられる皇后さま(プリンセスマキシマ小児がんセンター)
6月19日 マキシマ王妃の通訳で患者の女の子に声を掛けられる皇后さま(プリンセスマキシマ小児がんセンター)

オランダの子どもたちとの会話では王妃が通訳を務め、皇后さまは「きれい」とアクセサリーをほめたり、好きなことを聞くなどして交流されました。

6月19日 患者や家族との記念撮影(プリンセスマキシマ小児がんセンター)
6月19日 患者や家族との記念撮影(プリンセスマキシマ小児がんセンター)

センターに勤務する日本人研究員とも懇談し「頑張ってください」と励まされた両陛下。

ここで国王夫妻とはお別れとなりました。「気を付けてお帰りください」「安全な旅を!お気を付けて」と呼びかける国王夫妻と、握手やチークキスを交わしお礼を述べられた両陛下。
最後に、皇后さまが「(愛犬)マンボにも」と述べられると、国王夫妻は笑顔をみせていました。

6月19日 国王夫妻とお別れの挨拶をされる両陛下
6月19日 国王夫妻とお別れの挨拶をされる両陛下

名残惜しそうに別れの挨拶を交わされた両陛下。
親密な交流を重ねてきたオランダ王室との絆をさらに深め、次の訪問国ベルギーへと向かわれました。
(「皇室ご一家」6月28日放送)

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