「他の子猫の紹介を受けている最中でしたが『この子にします』と即決しました」
いとちゃんとの別れから、「一日一日を共に長く刻んでいきたい」という願いを込め「こよみ」と名付けた。
迎えられてからは、店のケージの中でお客さんに見守られつつ、“看板猫見習い”としての修行がスタート。赤ちゃんのころからたくさんの愛情を注がれて育ったこよみちゃんは、人が大好きな甘えん坊に成長。
キュートなルックスと持ち前の人なつっこさで次々にファンを増やし、入店して3カ月後には、店の二代目看板猫として本格的にデビューを果たした。
現在でも物おじすることなく、誰に対しても甘えにいく、いとちゃんとは“正反対なスタイル”でお客さんをとりこにしている。
「これからもよろしくね」
今でも、ふとした時にいとちゃんと過ごした日々を思い出し、涙がこぼれることもあるという泉さん。
しかし、悲しみのあまり店に立つことさえできなかったあの頃と比べ、今では気持ちに大きな変化が生まれたと言う。
「いとと一緒に子育てをしている感じです。だから、これからもよろしくねと」
もし、あの日いとちゃんが自動ドアを開けていなかったら、こよみちゃんの話をしてくれた常連さんとの縁がなかったら…。いくつもの糸が折り重なって生まれた、月命日の出会い。
一度は断ち切れたと思っていた糸は、今も確かに新たな命と歩む日々へとつながっていた。
(画像提供:「バッファロー」)
