(3)背景(価値観や考え方)を褒める
行動の裏にある考え方や信念を評価することは、相手の内面に触れる深い褒め方となります。

例:「いつもチーム全体の成功を第一に考えてくれている。その姿勢が素晴らしい」

表面的な結果以上に、そのバックグラウンドとなる本質を褒めることで、「人としての魅力」を評価されたと感じるので、深く心に響きます。

見落としがちな細かいスキルを見よう

(4)見落としがちな細かいスキルを褒める「拡大褒め」
細かなポイントの中に相手の価値を見つけると、意外性のある褒め方になります。自分でも気づいていない能力や、些細な強みに触れられると、「そこまで見てくれたのか」と感じさせ、相手の心に深く届きます。

『できるリーダーはどこを「ほめる」のか?』から抜粋(イラスト:福士陽香)
『できるリーダーはどこを「ほめる」のか?』から抜粋(イラスト:福士陽香)

例:「プレゼンの途中で、重要なポイントの前に一瞬だけ間を空けて話すのが引き込まれました」

こうした見落としがちな細部を、虫眼鏡で拡大して観察するようなフィードバックは、「しっかり見てくれている」と感じるので、信頼関係を深めます。

(5)周りへの影響力を褒める
自分の行動が周囲にどのような影響を与えているか、本人は気がついていない場合が多いものです。だからこそ、その影響力を指摘することに大きな価値があります。

例:「新人の話し相手になってくれているのが、チーム全体の雰囲気を明るくしています」
例:「いつも一番はじめに質問をしてくれるので、部の意見が活発になって助かってます」

こうしたフィードバックは、相手の自己肯定感を高める「相手も気がついていない褒め」につながります。

さらに、言われた相手は、周囲にもっといい影響を与えようとする好循環が生まれるので、チーム全体が好転していくのです。

■ポイント
相手も思いがけないポイントを承認することで、ワンランク上の褒めになる。

『できるリーダーはどこを「ほめる」のか?』(朝日新聞出版)

山本渉
国内最大手の広告マーケティング会社にて、ジェネラルマネージャー兼部長を束ねる統括グループリーダーとしてチームを率いる。その経験をもとに執筆したマネジメント書『任せるコツ 自分も相手もラクになる正しい“丸投げ”』(すばる舎)がある。また、クリエイティブディレクター/コピーライターとして20年以上、商品・サービスの「よさ=褒めポイント」を見つけ出し、言語化する仕事に携わる。

山本渉
山本渉

国内最大手の広告マーケティング会社にて、ジェネラルマネージャー兼部長を束ねる統括グループリーダーとしてチームを率いる。その経験をもとに執筆したマネジメント書『任せるコツ 自分も相手もラクになる正しい“丸投げ”』(すばる舎)は多くのビジネスパーソンから支持を集め、さまざまな企業にてリーダーシップに関する講演を行っている。一方で、クリエイティブディレクター/コピーライターとして20年以上、商品・サービスの「よさ=褒めポイント」を見つけ出し、言語化する仕事に携わる。世界最大の広告賞・カンヌライオンズでグランプリをはじめ、ACC賞ベストCMプランナー賞、東京コピーライターズクラブ新人賞など、国内外で数多くの受賞歴を持つ。「褒める」という行為を、ビジネスにも日常にも活かせる再現性のあるスキルとして体系化し、リーダーシップ、コミュニケーション、チーム作りの分野で実践的な知見を届けている。