会議やプレゼンが上手な人を見て、「話し方は才能」だと諦めてしまっている人はいないだろうか。

アナウンサーとして活躍し、声のコミュニケーションのプロとしてさまざまな人の悩みを解決してきた墨屋那津子さん。彼女が提唱する「スミヤメソッド」では、「声の使い方」を変えることで伝わり方が変わるという。

言葉を口にした瞬間に伝わり方が変わり、周囲からの印象や人生そのものまでもよくなるのだそう。

親しい人との会話、普段の雑談、人前で話す、電話をするときなど、発する声をシチュエーションによって変えているかもしれないが、墨屋さんは「一貫性を持つ声が大事」だとする。

著書『あなたの話が「伝わらない」のは声のせい』(飛鳥新社)から一部抜粋・再編集して紹介する。

厚化粧よりもスッピン声を目指す

多くの人が「好印象」を得たくて、話し方を工夫しようとします。

しかし、話し方がまだ初心者なのに、高度なテクニックを使おうとするのは、赤ちゃんが厚化粧をするようなもの。素肌のほうがよっぽど感じがよいのに…。

声も同じで、飾るほど相手の心は離れていきます。

もちろん話し方のテクニックがすべて悪いわけではありませんが、まずは「声」のベースを整えることが大切です。

「うまく話さなくては」とがんばると、自分に大きなストレスがかかります。ですが、多くの人は自分がストレスを感じているなんて気づいていません。

「シーンや相手によって声色や話し方は変えるもの」という伝え方の思い込みに対して、「声色や話し方は変える必要がない。むしろ、一貫性があるほうが信頼される」とお伝えしました。