ヒトパピローマウイルス(HPV)への感染が原因で発症する子宮頸がん。特に30代から40代に多く、知らないうちに感染し自覚症状なく進行する。医師はワクチンや定期検診により“予防できるがん”だとして、予防意識の向上を呼び掛けている。
ウイルス感染から細胞が変化し、がんに
子宮は、女性にとって新しい命を育む大切な臓器だ。福井県済生会病院・産婦人科の黒川哲司医師医師は子宮頸がんについて「子宮の入り口がHPV、ヒトパピローマウイルスが感染することによってできるがん」だと説明する。
このヒトパピローマウイルスは、性器や皮膚に感染するごく一般的なウイルスで、性交渉の経験がある女性であれば、約8割が一生に一度は感染するといわれている。
ウイルスが体内に入っても、多くの人は自身の免疫機能によって自然に排除される。
しかし、ウイルスが排除されずに数年から数十年にわたって体内に滞在し続けると、細胞の形が徐々に変化し、やがて子宮頸がんとなる。
特に発症が多いのは30代から40代の女性だ。
この病気の恐ろしさは、感染しても自覚症状がないまま進行すること。不正出血や下腹部の痛みといった症状が現れたときには、すでに病気が進行している可能性があるのだ。
子宮頸がんは「予防できる」
しかし黒川医師は「ワクチンや検診をすることによって治療することがなくなる疾患」だと強く訴える。
予防には二つの段階がある。
まず、ウイルスの感染自体を防ぐための「ワクチン」。そして二つ目は、感染によって細胞の形が変わった段階を早期に見つけるための「検診」だ。
ワクチンは小学6年生から高校1年生相当までの女性が対象で、15歳未満の場合は年に2回、それ以上の年齢では年に3回の接種が推奨されている。
定期検診は、2年に一度が目安となっている。
「ほかのがんに比べて若い人が亡くなるがんは医師としても衝撃的なこと。子宮頸がんに関しては予防できるというのが大きい」と黒川医師は語る。
自分や家族を守るために、ワクチンや検診などについて、いま一度考えてみてはどうだろうか。
