夏休み明けは子どもたちが学校へ行く意欲が低減する、いわゆる「行き渋り」が発生しやすくなる。行き渋りは不登校に発展するケースがあり、注意が必要だ。スムーズに学校生活に戻るため、子どもと保護者ができることについて専門の医師に聞いた。
さまざまな原因で発生する「行き渋り」
プールや海水浴、屋外キャンプなど、楽しい夏休みは終盤を迎えた。1カ月余りの休みを経て、福井の小中学校では8月28日から順次、学校生活が再開される。
![夏休み終盤は「学校に行きたくない」との訴えが増加する](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/1/3/700mw/img_1363bfcb90bc4fea58b78ebcb7c0943b318521.jpg)
夏休み終盤に入ると、学校に行きたくないと訴える「行き渋り」が増え始める。このタイミングで増加する理由を、福井大学病院の子どものこころ診療部、吉馴亮子医師(専門・発達小児科学)に聞いた。
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福井大学病院 子どものこころ診療部・吉馴亮子医師:
夏休み明けや長期の連休明けは、学校に行ってる頃に比べたら規則正しいリズムが崩れやすくなる。睡眠のリズムが崩れたり、朝ごはんを食べない子が出てきたり。それで2学期(1学期後半)が始まる頃になって、なかなか朝起きられなくなる。なんとなく頭が痛いとか、おなかが痛いとか行きたくないとか、いろんなことを言い始めることもある
![長期休み中に子どもの体調が悪くなる一例](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/3/a/700mw/img_3aa27811de9a6ca15e2c197ffed415f1286175.jpg)
生活リズムが乱れることで、体内では自律神経の乱れが発生。これにより倦怠(けんたい)感や頭痛といった身体的な不調が現れるという。
このほか、長期間の休みで緊張の糸が切れる、子ども本人にも理由が分からないなど、行き渋りを感じる要因はさまざまだ。その兆候に気付いた時、保護者はどう向き合えばよいのか?
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福井大学病院 子どものこころ診療部・吉馴亮子医師:
学校へ行きたくないっていうことが、その子が出したサイン。そのことを責めることなく、まずは受け止めてあげる。どこが痛いのか、学校に行けないくらい痛いのかを聞いてあげて、どうしても学校が難しいのであれば、お休みを取ってあげることは大事
医師が教える“3つの対策”
学校の再開まではもう少し時間がある。スムーズに学校生活に戻るために、今からできる対策を聞いた。
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①睡眠や朝食を食べる時間を休み前のリズムに戻す
子どもだけでなく、家族全員で取り組むと効果的だ。
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②ゲームなどは時間を決めて生活にメリハリを
親が一方的にルールを決めるのではなく、子どもと一緒に決めることが大切になる。
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③子どもが楽しいこと、好きなことを話せる雰囲気作り
子どもの生活への意欲を高めることで、学校に行きたいと思えるようになる。
まずは“生活リズムを安定させる支援”を
最後に吉馴医師は、登校させることだけにこだわらないことが、行き渋りを悪化させないためにも重要だと話す。
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福井大学病院 子どものこころ診療部・吉馴亮子医師:
学校に行かない理由は個人個人で違うのでひとくくりにはできないが、学校に行かなきゃいけないとなるのではなく、学校を休んでも極力生活のリズムが崩れないように支援してあげることが大事かなと思います
(福井テレビ)