鹿児島港で3月23日早朝、出港準備中の桜島フェリーが停泊中の小型観光客船に衝突する事故が発生した。けが人はなかったものの、衝突された観光客船にはフレームの折損や船内の散乱など深刻な損傷が確認され、関係者は営業再開の見通しが立っていないとしている。
「突風にあおられて流された」 出港準備中の移動が招いた衝突
鹿児島市によると、23日午前5時40分ごろ、鹿児島港において桜島フェリーの第十八櫻島丸が、岸壁に停泊していた民間の小型観光客船「クイーンズしろやま」に接触した。

第十八櫻島丸は午前6時の出港に向けた準備のために移動中だったという。船長は「突風にあおられて船が流されて衝突した」と説明しており、強風が事故の直接的な引き金となったとみられる。
事故発生時、乗客はまだ乗船前の状態だったため、けが人は出なかった。第十八櫻島丸自体の損傷も前方左側の塗料がはげる程度にとどまっている。
フレームが折れ、階段の手すりも曲がる クイーンズしろやまの被害
一方、衝突を受けたクイーンズしろやまの損傷は深刻だ。船内を確認すると、フレームが折れ、木材などが散乱。1階部分では電球が割れ、階段の手すりが曲がるなどの被害が確認された。
クイーンズしろやまは週に3回から4回ほど客を乗せてクルージングを行っている船で、鹿児島港周辺の観光を楽しむ市民や観光客に親しまれてきた存在だ。しかし今回の事故を受けて23日の予約はキャンセルとなり、営業再開までどれくらいの時間がかかるかは現時点では見通せないという。地域の観光コンテンツとして定着していた運航が、当面の間途絶えることになる。

鹿児島市船舶局がコメント 「丁寧に対応したい」
事故を受けて鹿児島市船舶局は、「接触した方に迷惑をかけて申し訳ない。今後は再発防止に努める」とコメント。また、必要な補償などについては「関係機関と協議し、丁寧に対応したい」としており、今後の対応が注目される。
早朝の突風という不可抗力的な要因があったとはいえ、市営フェリーが民間の観光船に損傷を与えた今回の事故は、港湾での安全管理のあり方にも改めて問いを投げかけるものとなった。クイーンズしろやまの早期の営業再開と、再発防止策の徹底が求められる。
(動画で見る▶桜島フェリーが観光船に接触「突風で流された」けが人なしも観光船は損傷、営業見通せず)
