鹿児島県湧水町のシンボル・丸池湧水で、池の水を抜いて水生生物を調査するイベントが行われた。家族連れなど約60人が参加し、ドンコやサワガニといったおなじみの生き物に交じって、思わぬ「大物」も顔を見せた。特定外来生物のアメリカザリガニは、その場でみそ汁に調理されて参加者の胃袋へ。自然の豊かさを体で感じ、外来生物への理解も深める、盛りだくさんの一日となった。
至る所から湧き出す水、湧水町のシンボルとは
丸池湧水は、鹿児島県湧水町にある湧き水の名所だ。至る所から湧き水が湧き出し、豊富な水量を誇ることで知られる。その名の通り、湧水町のシンボルとしても親しまれており、地域の自然環境を象徴する存在となっている。
今回の生き物調査は、そんな丸池湧水の良さを多くの人に知ってもらおうという目的で企画された。集まったのは家族連れを中心に約60人。長靴を履いた参加者たちは、網とバケツを手に水が抜かれた池の底へと降り立ち、次々と水生生物の捕獲に取り掛かった。

「ウナギだ!」 次々と姿を見せる生き物たち
泥の底を網でさらうと、まず姿を現したのはタカハヤ。淡水域でよく見かける魚で、生き物調査の常連ともいえる存在だ。続いてドンコやサワガニも次々と捕まり、参加者の歓声が上がった。
そして、その場をひときわ盛り上げたのが、ひときわ大きな生き物の登場だった。
「ウナギだ!」「えーすごい!」
池の底から姿を現したウナギに、参加者たちは驚きの声を上げた。清らかな湧き水の環境が、こうした生き物たちの生息を支えていることを、参加者たちは目の当たりにした形だ。

鹿児島市の鹿児島水族館のスタッフも駆けつけ、捕まえた生き物の特徴や、丸池湧水に良好な環境が保たれている理由について丁寧に解説。子どもから大人まで、水辺の生態系について学ぶ貴重な機会となった。
アメリカザリガニをみそ汁に 「エビに似ている気がする」
このイベントには、もう一つ重要な目的があった。特定外来生物に指定されているアメリカザリガニの駆除だ。
アメリカザリガニは在来の水生生物の生息環境を脅かす存在として知られており、各地で駆除活動が進められている。今回の調査でも多数が捕獲され、ただ廃棄するのではなく、みそ汁に調理して参加者に振る舞うという一石二鳥の試みが行われた。
口にした参加者からは「エビに似ている気がする」という声も。外来生物への問題意識を持ちながら、その味わいを実際に体験するという、ユニークな食育の場ともなった。
参加者からは「色んな魚が見られること(が良いところ)」という声も聞かれ、丸池湧水の生き物の豊かさを実感した様子だった。

「おいしくいただける、ということを知ってもらいたい」
イベントを企画した福永真悟さんは、今回の取り組みへの思いをこう語った。
「いろんな人たちに(丸池湧水を)知ってもらって、特定外来生物もおいしくいただけるとみんなに知ってもらいたい」
地域のシンボルである丸池湧水の魅力を広く伝えながら、外来生物問題にも楽しみながら向き合う——そんな福永さんの思いが、参加者60人の体験として結実した一日だった。
(動画で見る▶「池の水を抜いて大発見」子どもたちが丸池湧水の生き物調査、ウナギやアメリカザリガニも)
