18日、2026年の春闘で大手企業の“集中回答日”を迎えました。

私たちの給料にも直結する春闘について、スーパーや外食など、私たちの暮らしに直接関わる業界で働く人たちの労働組合が集まる組織「UAゼンゼン本部」から、フジテレビ・智田裕一解説副委員長がお伝えします。

イトーヨーカドーやイオン、ライフなどなじみある企業の名前がずらりと並んでいますが、組合員の数を合わせると190万人余りになります。

こちらでの高い賃金水準が実現するかどうかが春闘の行方を占う大きな鍵になると思います。

そして、回答の状況がボードに書かれていますが、赤い文字で「満額」と書かれ、回答に対して満額で応じたケースが相次いでいるのがよく分かります。

――なぜ満額回答が相次ぐ?

ここ数年、高い水準の賃上げが実現してきていて、その流れを腰折れさせてはいけないという機運が続いているということがありますが、もう1つの大きな背景は人手不足です。

人手不足の中で高い賃上げ水準を示すことで、例えば、新規採用で学生に選ばれる企業に位置づけてもらいたい、また、優秀なパート従業員の方に働き続けてもらえる企業でいたいなど、人材確保を巡る強い思いが高い水準の賃上げに表れてきているようです。

――イラン情勢の影響は今回の春闘に対してはある?

このボードで示されている回答は、まだ中東情勢悪化の影響は反映していません。
影響が深刻化する前に決着を急ごうという組合も出てきていますが、大手を参考にしてこれから交渉が本格化していくのが中小企業です。

情勢の悪化が長期化にわたることになると、原油高による打撃が大きくなり、経営者がお金を賃上げに回すのに慎重になって様子を見ようということになりかねないのではないかという懸念が出始めています。

――実質賃金のプラスの流れは定着する?

ようやく賃上げが物価上昇を追い越した状態が実現したところでしたが、一方で今、原油高で物価上昇が加速していく心配が強まってきています。

実質賃金プラスの状態が定着していくかがこの先の暮らしを大きく左右しますが、企業全体の大部分を占める中小企業の賃上げがこれに大きく影響します。

中東情勢が悪化する中で、高い水準の賃上げの波が中小企業にも確実に広がっていくのか注意していかなければいけない局面が強まってきたといえますが、中小企業がコストが上がった分、きちんと販売価格に反映できる環境に整えていけるかも大きなポイントになりそうです。

SPキャスター パトリック・ハーラン氏:
今回の満額回答の中でも、物足りないものも結構あると感じました。求めている額自体が案外低かったりする部分もあり、例えば1万円のベースアップは月給30万円の人にとっては3.3%の賃金上昇になりますが、月給50万円の人にとっては2%にとどまります。2025年の物価上昇率が3%を超えているので、これでは間に合わないところもあります。また、1月の実質賃金が13カ月ぶりにプラスに回ったということは、13カ月ずっと衰退していたわけです。そこでちょっと上がったとしても、13カ月前の推移に戻ったかといったらそうではなく、まだまだ埋めなきゃいけない穴があるということです。

イラン情勢の影響はこれから出てくるので、そういう意味では日本経済の今後を左右するかもしれません。