沖縄県名護市、辺野古の沖合で2隻の船が転覆し、乗っていた同志社国際高校の女子生徒1人と、船長の金井創さん(71)が死亡した事故。

17日、国の運輸安全委員会の調査官が現地に入り、調査が始まる中、同志社国際高校も会見を実施。西田喜久夫校長は、亡くなった2年生の武石知華さん(17)に哀悼の意を表すとともに、彼女の人柄についてこう話しました。

同志社国際高校 西田喜久夫校長:
非常に優秀な生徒で、英語の力が特にネイティブ並みに英語が話せるお子さんでございました。出会ったときに、「先生おはよう、こんにちは」とか声を掛けてくれる生徒でした。
会見の中でまず問われたのは、「出航の判断」について。

――出航の判断についてはどのような判断がなされたのでしょうか?
同志社国際高校 西田喜久夫校長:
朝の時点で、教頭の方は「波浪注意報」が出ていることは確認していたようです。
金井牧師(船長)の方からは、そのことについて特に言及はなく、出航に関しましての疑念も話されませんでした。

――何をもって船が安全だと判断を?
私どもと金井先生(船長)の信頼関係の中で、大丈夫だという理解をしていたということでございます。

牧師も務めていたという、船長の金井さん。
当時、波浪注意報が出ていたものの、船を出すことについては「船長の判断に任せていた」と学校側は説明しました。

さらに、転覆した2隻の船を使用している市民団体は、「突然高波が来て最初の船が転覆、助けようとした次の船もまた高波に襲われて転覆した」と説明し、出港時に風速7m以上の風が吹いていれば船は出さず、それより低い場合は船長が判断していたと明らかにしました。
しかし、『サン!シャイン』が地元の漁師を取材すると、こんな証言も…。

地元の漁師:
これは(事故があった日に)上げた網で、本来ならこんなに草がかかることはあまりない。それくらい海の中が荒れていた…そういうことですね。

複雑に絡まり合ってしまった網。当時の波の荒さを物語っています。

船が転覆した現場は辺野古の沖合、約1.5kmの海域。
地元ダイビングスクールによると、この一帯は、浅瀬があるため船の通れる幅が狭く、岩場に船が当たる可能性もあるといいます。

また、水難学会の斎藤秀俊理事は、この海域の特徴について「うねり」がみられると話します。

水難学会 斎藤秀俊理事:
“うねり”というのは、あまり高い波ではないので、遠くから見るとなんとなく穏やかに見える。でもそこに入り込んでいくと、実はすごく強い波が来ていたと。
それから、海域が急に深くなっているところから浅くなるということ、この二つが今回の事故の大きな要因だったかなと思います。
市民団体が使用している船になぜ?
今回転覆した2隻の船は、普段、辺野古の工事や移設に反対する市民団体が使用している物でしたが、なぜ学生たちがその船に乗っていたのでしょうか。

同志社国際高校の説明によると、キリスト教の牧師である船長の金井さんから、同じキリスト教の学校側へ提案があり、平和学習の一環として2023年から船での視察を始めていたといいます。

同志社国際高校 西田喜久夫校長:
船上で抗議活動をするというようなことは一切しておりません。あくまで辺野古の海の美しさを感じ、そして、そこに建つ基地の姿を見る。そのことがポイントでございまして。

さらに会見で問われたのは、普段抗議活動を行う市民団体が使用している船に乗ることを、どこまで保護者側に説明をしていたかという点。
同志社国際高校 西田喜久夫校長:
承諾があったのかどうかということですけど、「抗議船」という名前で私たちは生徒には説明をしておりませんし、保護者の方にも「こういう船に乗ります」という連絡はしておりますけども、それに対して同意を取ったりという形はしておりません。

転覆した2隻は、海上運送法に基づく事業登録をしていなかったことが分かっていますが、一方で学校側は、この2隻の運輸局への登録や保険への加入状況を把握しておらず、船長との信頼関係の上で「大丈夫」という判断を下していたといいます。

海難事故を専門とする 松村房弘弁護士:
船というのは当然危険をはらんでいる乗り物ですので、少なくとも学校側としては、運送事業法に則って安全管理体制ができている船なのかどうか、きちんと確認するべきだったと思います。
仮定の話になりますが、運輸局への登録もしていなかった、(人を乗せて運行するのに)必要な免許も持っていなかったとなると、北海道知床遊覧船事故の教訓が生かされなかったと。
船を見ると非常に小さな船なので、「そんなうるさいことをやらなくてもいいのでは?」というふうな見方もできるかも知れませんが、あくまでも法律上は安全管理体制を確立した上で運行しなさいということになっていますので、安全管理体制が確立されていたのかは、今後、検証する必要があると思います。
修学旅行中に起きてしまった不慮の事故。責任の所在はどこにあるのでしょうか?
(「サン!シャイン」 3月18日放送)
