21日に世界的人気グループ「BTS」のカムバック公演が予定されている、韓国・ソウルのカプセルホテルで火災が発生。宿泊客とみられる外国人10人が負傷し、日本人の親子を含む3人が病院に搬送されました。

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現地の消防によると、日本人親子は、55歳の母親が意識不明の重体、22歳の娘は一時意識不明だったものの、現在は会話できる状態だといいます。

火災が起きたのは、14日午後6時頃。火災現場は、観光客が集まるエリアにある7階建ての複合ビルで、3階と6階部分がカプセルホテルになっており、そのうち、3階部分から出火したといいます。

出火当時、外出していたという日本人女性によると、カプセルホテルの内部は狭い通路の両側に二段ベッドが並んでおり、ベッドのそばには宿泊客の荷物が置かれていたため「逃げるときに邪魔だったのではないか」ということです。

また、偶然、火災現場を目撃した女性は、本来鳴っているはずの火災報知器の音は聞こえなかったといいます。

火災現場を目撃した女性:
地下道から上がってきたときに、(周囲が)ざわざわしていて。上がってきたら火がばっと出ていて。(警報などの)音はなくて…全然、何もなくて。

さらに、室内には消火のためのスプリンクラーが設置されていなかったことも明らかになっています。今回の火災を受け、当局は19日までにソウル市内の宿泊施設など約5500カ所を対象に、緊急点検を行うと発表しました。

当局が早急な対応に乗り出した背景には、「BTS」のカムバック公演が近いことから、ソウルに世界中からファンが集結していることがあります。
16日には、オ・セフン ソウル市長が現地を視察に訪れ、消火施設の設置支援や制度の改善を検討すると発言しました。

オ・セフン ソウル市長:
BTSの公演の前に火災事故が発生してしまいました、もっと警戒心を持たなければなりませんでした。火災報知器やスプリンクラーなどの消火器設置支援など、火災初期対応力を高めるための策を検討します。そして制度を改善していきたいと思います。

ソウル市が観光客らの不安解消のために躍起になる中、日本から21日に行われるBTSのライブに行く予定だという人は…。

BTSのカムバック公演に行く人:
19日に(ソウルに)いきます、母がBTSの推し活で。今回事件が直近だったので、さすがに避難経路を見ておこうみたいな感じで、今回は行くと思います。

出火原因は?火災に遭ったときのために

現地メディアによると、建物3階にあるカプセルホテルのベッドから出火したとみられている今回の火災。元消防士で防災スペシャリストである野村功次郎氏は、出火原因を以下のように推察します。

防災スペシャリスト 野村功次郎氏:
ベッド付近となると、ある程度限定されるのではないかと思いますが、やはり海外の方が多いと文化の違いなどがいろいろあって、「寝たばこ」だったり、今事故の多いモバイルバッテリーを枕の下など熱のこもりやすいところに充電しながら放置していて、発火して大きな炎になったと。
もう一点は、海外の場合電圧が異なるため、変換器をつけて使用されることも多いのですが、旅行用の変換器の容量というのは非常に小さいんです。大きな電力を使うようなドライヤーなどは変換器をつけていても耐えきれずに故障したり、発火をする可能性があるので、現段階ではこの3つのいずれかが出火原因ではないかと考えられます。

搬送された日本人親子は、意識不明の重体となっている母親は7階の廊下、娘は4階の階段でそれぞれ発見されたといいます。

――出火は3階だったにも関わらず、なぜ7階にいた人が重体になってしまったのでしょうか?
防災スペシャリスト 野村功次郎氏:

このような鉄筋コンクリートの建物で、煙の排出が難しい場合、やはり廊下や上層階に早い段階で一酸化炭素を含んだ黒い煙が充満してしまうと。

――消火体制はどうなっていたのか?
(韓国は)日本と違いがあって、室内の写真を見ると、ベッドの枠も木製なんですよね。さらに日本の場合は、ホテルとなるとカーテンやじゅうたんなど寝具は防炎性能を有したもの使いなさいと。市販の物は簡単に燃えやすいんです。

――カプセルホテルなどで火災の被害に遭わないためにどうしたらいいのでしょうか?
火災でも地震でも共通することですが、自分が履いている靴を枕元か足元など近くに置いておくことが必要。そして、小さなライトでもいいので、逃げるときの明かりを確保しておくと。そして、ホテルに着いた時点で避難する経路を確認しておくことが大切です。
(「サン!シャイン」 3月17日放送)