11日午前7時ごろ突然、大阪市北区・新御堂筋の高架下で、巨大な鋼鉄製のパイプが地中から“せり上がって”出現しました。
「サン!シャイン」は急きょ現場に向かい、取材を開始。

田中良幸リポーター:
現在午後3時過ぎです。ちょうどこの交差点の真ん中、巨大な管がせり上がったままになっています。依然としてまだ3m近く地面からせり上がった状態となっていて、周囲を見ると、アスファルトが砕けたようなものが、一部散乱したままになっています。
現場では、かなり多くの作業員が復旧工事の様子を見守っています。
現場周辺には多くの人が集まり、騒然とした雰囲気が続いていました。

現場はJR大阪駅や阪急梅田駅からもほど近い、人通りや車通りも多いところです。
騒然とする現場…近隣住民「あんなん初めて」
地中に埋まっていたパイプは、直径約3.5m、長さ約27mほど。

事の発端は、11日午前7時ごろ警察に入った「工事現場からコンクリートが落ちてきている」という通報でした。

警察によると、パイプは一時10m以上も地上にせり上がり、午前9時過ぎに撮影された映像では高速道路の高架に接触しそうな状態でした。

地元住民女性:
あんなん初めてです。まさかまさかあんなところで…。
――(通報があった)7時前の車通りや人通りは?
地元住民男性:
通勤のラッシュの始まりやな。車も結構ある。

けが人はいませんでしたが、現場付近の国道は一部区間で通行止めとなり、長い渋滞ができました。
パイプはいつ巨大な姿を現した?現在の様子は?
大阪の街を騒然とさせた今回の事態。巨大なパイプは、いつ、何が原因で道路の下から姿を現したのでしょうか?
近隣住民によると、10日時点ではせり出していなかったというパイプ。
また、現場近くを毎日通る人の多くが11日午前6時半ごろの時点でも、パイプはせり出していなかったと証言しています。
しかし、その後…、

現場付近で働く人:
私は朝7時20分に来たけど、(パイプの)その話をここの清掃の女性に言ったら、「6時半に大きな音がした」と。
周辺の話から、パイプは「11日午前6時半以降にせり上がってきた可能性」があります。
なぜ、このような事態になったのでしょうか?
午後2時過ぎに会見を開いた大阪市建設局の担当者によると、現場では浸水対策として、大雨の時に一時的に雨水をためる下水道管を設置する工事を実施。

その際に、土砂の流入を防ぐための縦穴のパイプ(下水道のトンネルを縦につなぐ“縦坑”と言われるもの)を設置したところ、それが地上に出てきたということです。
地上にせり上がった原因については…、

大阪市建設局担当者:
あまり事例がないので、今のところ不明ということになります。
一方現場では、消防によってパイプを再び地中に戻す作業が行われました。

まず、パイプの側面に穴を空け、続いてホースを使って中に注水。
水の重みでパイプを地中に戻すという狙いです。

定点カメラで見てみると、少しずつパイプが下がっているのが確認できました。

午後8時半ごろには人の背丈ほどの高さにまで下がり、パイプの上に設置されていた器具のようなものも外されました。
朝方まで続いていたという復旧作業。
12日朝、あらためて現場を訪れると、約1.5mを残したところまで埋められていました。
工事関係者の話によると、まずこの後、周辺の地質調査を行い、まだ出ている部分については埋めるのではなく(今のところ)切断をするとのこと。
また、周囲の人に話を聞くと、今のところ「水が地面から出てくる」といった影響はなく、水道やトイレも普通に使えるということです。
専門家に聞く可能性「軽くなったから浮いた」
原因は「調査中」とのことですが、考えられる可能性は?専門家に聞きました。

地盤システム研究所・近久博志氏:
(パイプの中には)水が張っていたんですね。周りは地下水があるのでバランスが取れているんですね。で、最後まで達したということでコンクリートで(パイプの下部に)ふたをしたと。

次は下の雨水管とをつなぐ補強工事をしないといけないのですが、中の水を抜いて作業できるようにしようとしたときに、バランスを取っていた(中の)泥水がなくなったんですね。そうするとフッと軽くなったから、そのまま浮き上がったという可能性。
例えるなら、水を入れたペットボトルは湯船に沈んでいますが、中の水がなくなると浮いてくるようなイメージだといいます。
SPキャスター・杉村太蔵氏:
(パイプが)飛び出した時は、徐々に出てきたんでしょうか?ドーンと上がったんでしょうか?
近久博志氏:
(パイプと地盤の間には)摩擦があるんですね。ですから、ある程度バランスが取れるようになるまでは、せり上がっていても、しばらくはもっているんですね。摩擦が大きければ急にボーンと上がりますし、摩擦がなければスーッと上がってくるんですね。現地の地質によります。
(今回はパイプの)周辺しか割れていないですよね。もっと力がかかっていたら周りをもっと引きずり込んでいた。パイプだけでスーッと上がってきたような感じがするでしょう。ということはあまり摩擦がなかったと考えられます。
佐々木恭子キャスター:
全国的にも今後起こりうる話でしょうか?ここの地盤が地下水が多くて起きたのでしょうか?
近久博志氏:
全国的に近年の大雨により、雨水管を増やすような工事はあります。今回は、この工法特有の事故だとお考えいただいた方がいいかもしれません。新しい工法ですから。
(「サン!シャイン」3月12日放送より)
