18日、特別国会が召集され、自民党の高市早苗総裁が第105代総理大臣に指名されました。これにより、第二次高市内閣が正式に発足します。
選挙で圧勝した高市総理は、前回の総理大臣指名選挙時とは対照的に、今回は300を超える得票数を獲得する見込みです。
関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」に出演した、政治ジャーナリストの青山和弘さんは、高市政権の今後の命運を握る「危機管理」について、過去の「最強の危機管理政権」を例に挙げ、解説しました。
■第2次安倍内閣は「最強の危機管理政権」
青山さんは「最強の危機管理政権」として、7年8カ月続いた第2次安倍内閣を挙げました。
安倍総理と菅官房長官のコンビ、そして今井首相秘書官(いずれも当時)の役割が重要だったと解説します。
【政治ジャーナリスト 青山和弘さん】「7年8カ月も政権が続いたのは危機管理がうまくいったからです。総理一人では危機管理は無理。菅さんがマスコミや官僚などにも情報をしっかり広げて。
目立ちませんが今井さんという総理大臣の主席秘書官が非常に大事でした。この人たちが霞が関の情報、警察情報や公安情報も集めて、危機管理を徹底的にやる」
青山さんによると、危機管理の第一歩は「情報をちゃんと集められること」。
菅氏は「毎朝のように色んな人と朝食会を行い、国会の裏のホテルで様々な人を呼んで常にアンテナを張っていた」と解説しました。
■パーティ中に「クビ」決まってた 「即断即決」が求められる政権の危機管理
青山さんは、2017年に当時の今村復興大臣が政治パーティーで東日本大震災について「(発生場所が)東北の方だったから良かった。これが首都圏に近かったりすると莫大な甚大な被害があった」発言したことを例に挙げて解説します。
【青山和弘さん】「今村氏は翌日に辞表を出しましたが、この発言をした講演をした直後のパーティー会場で、実は今村さんに『お前はクビだ』と電話があった。
パーティから出るときには真っ青な顔をしていた。つまり、この発言をまず覚知する能力も高いし、官邸のチーム安倍が集まって即更迭を決断して、パーティー会場から出てくるときにはもう何も言わせない。更迭が決まっていた。
本人の言い訳さえも聞かずに、この即断即決。守るときは守るんですが、切るときの速さ。それによって傷が広がらない。マスコミが騒ぐ前にもう更迭が決まっている」
この決断は「2時間ぐらいで」行われたといいます。
■政権の危機管理「ありとあらゆるものを集めて『守るべきか・即切るべきか』」
青山さんによると、この政権ではマスコミからも情報収集をしていたということです。
【青山和弘さん】「例えば週刊誌報道があったら、続報がどれぐらいあるのか。さらにその背景となるようなものが、どこまで広がってるのか。マスコミに取材した方が分かる場合もありますし。
それ以外の警察情報とかいろいろなありとあらゆるものを集めて、『守るべきか、即切るべきか』を、なるべく早く決める。一番まずいのが、後手後手に回ることです」
■高市政権「危機管理能力を上げようとしている」
では高市政権で誰が危機管理を担うのでしょうか。
現在、官房長官は木原稔氏が務め、経産省の事務次官経験者が秘書官を務めています。
青山さんは「木原官房長官は菅さんや小渕恵三総理時代の野中(弘務)さんとかに比べると若いので、ネットワークの広がりについては若干不安がある。ただ高市さんに対する忠誠心は非常に高い」と評価。
さらに秘書官の「後ろ」には、第2次安倍内閣の主席秘書官だった今井氏が官邸の参与という立場に就いていると指摘し、「官邸に入れることで、危機管理能力を上げようとしている」と分析しました。
■岸田政権は「解散もできず、ずるずると…」政権の命運を握る危機管理能力
最後に青山さんはいかに危機管理が重要かということを、岸田政権のことを例に挙げながら解説しました。
【青山和弘さん】「危機管理に失敗して支持率が下がると、自民党内で高市さんに反発心を持っている人が動き出したりする可能性もある。
とにかく危機管理で間違えないことが、今後の高市政権の帰趨(きすう)を決めると言っても過言ではない。
岸田政権は『自民党派閥の裏金問題』を巡って、この問題の深刻さを覚知するのが遅かった。危機管理が能力が問われました。
結局対応が後手に回って、解散するタイミングを逸してしまった。高市政権がどこまでアンテナを張り、迅速に対応できるかが、長期政権となるかどうかのカギを握ります」
(関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」2026年2月18日放送)