全国で「高市旋風」が吹き荒れた衆議院選挙では、福井県でも一挙に3議席を自民党が獲得。参議院を含めると国会議員5人すべてが自民党となり“保守王国福井”の復活を印象付けた。
今回、出口調査で有権者に最も重視した政策を尋ねたところ、全体の41%を「物価高対策」が占め、社会保障や子育て支援を大きく上回る結果となった。国民生活に直結するこの課題に対し、歴史的圧勝を収めた自民党はどう向き合うのか。福井テレビの報道番組「タイムリーふくい」で県選出の衆議院議員3人に話を聞いた。
県民が最も期待する「物価高対策」
出口調査で有権者が最も重視した政策として浮かび上がったのが「物価高対策」。自民党の稲田朋美氏は、今回の選挙戦中「スーパーで支持者から『高い、もう本当に高い』、会社訪問した先では非正規雇用のお母さん方から『とにかくこの食料品の消費税なんとかして欲しい』と訴えられた」という。
物価高対策の要点について稲田氏は「物価に負けない賃金、所得の向上、使えるお金を増やすことだ」と語る。その実現のため、中小企業の賃上げを後押しする税の優遇措置の拡充や、食料品消費税を2年間の期限付きでゼロにするべきと訴えた。
さらに、社会保障財源とのバランスを考慮し、将来的には収入や家族構成に応じてきめ細やかな支援を行う「給付付き税額控除」の導入が必要との考えを示した。
消費税減税に伴う財源確保は―
食料品の消費税減税について高市総理は、超党派の国民会議を設けて議論を始め、夏前には中間報告を取りまとめたい考えだ。この秋にも臨時国会で法案を提出し、早ければ2026年度中の減税実現を目指すが、そのためには年間5兆円規模の財源をどう確保するのかという大きな課題が残されている。
この消費税減税を野党時代から訴え続けてきたとするのが、福井2区で当選した斉木武志氏。2024年の段階で自身のYouTubeチャンネルで「食料品消費税0パーセント」を発信し維新の公約にも盛り込んだと訴える。イギリスやカナダ、オーストラリア、韓国、台湾などを例に挙げ、食品への非課税は物価高騰対策として主流になってきていると強調した。
年間5兆円規模の財源については、国債発行に頼らず、租税特別措置の見直しや税外収入の活用などで捻出することが重要だと指摘。大規模な減税策で市場の混乱を招いたイギリスの「トラスショック」に触れ、「無責任な減税ではマーケットが制裁を加える」とし、2年間という期限付きでの“抑制的な減税”が重要と述べた。
「国民の生活実態が選挙結果に」
比例代表・北陸信越ブロックで初当選した、内閣府で勤務した経験のある今洋佑氏は、与党が消費税減税を掲げること自体を「革命的。それぐらい政策の選択肢を聖域なくやってやるという自民党の本気を伝えるためにも、しっかりとした議論をして、何かしら形にするべき」とその意義を語った。
高市総理の“本丸”の政策である給付付き税額控除の実現性については「臨時のものを積み上げてもひずみが出てくる。長期的な目線で進めないと責任ある積極財政の“責任”の部分が果たせないので、しっかりとした議論が必要」と述べた。
また、政治ジャーナリストの橋詰武宏氏も「今度の選挙の争点で一番大きかったのはこの物価高の問題。生活は厳しいんですよ」とこの公約の重みを指摘する。その上で「食料品の減税が実現できなかったら、逆に大きく振れる。国民はいま、どういうような生活をしているかという実態が今度の選挙の結果。これは必ずやったほうがいいし、やらなければいけない」と求めた。
新幹線、エネルギー…福井の課題への対応
自民党の歴史的圧勝は、福井県にとって追い風となるのか。斉木氏は「新幹線の小浜・京都ルート実現に向けては追い風になる」とした。その上で「維新がちゃぶ台返しをしてきた中で、東海道新幹線に次ぐ“2本目の動脈”が必要という議論を主導していく」とし、与党PT内で“数の力”が増したことは効果的だとした。
稲田氏は「福井には新幹線やエネルギ―、豪雪対策など課題が多いが、しっかり進めて欲しいという期待に応えないと失望に変わる。しっかりやりたい」と述べた。今氏も「世代や経歴が違う3人による多様なアプローチができる」とした。
有権者の最も切実な願いである物価高対策、その試金石となる消費税減税を実現し、国民の期待にどう応えていくのか。保守王国・福井から選ばれた3人の議員の手腕に注目が集まる。
※【シリーズ3】に続く
