自民党が、衆議院の3分の2を超える316議席を獲得し、歴史的な大勝となった衆院選。巨大な与党の誕生で勢力図が一変する中、2月18日に召集される特別国会で最大の焦点となるのが『食料品の消費税ゼロ』についてだ。

動き出した『食料品の消費税ゼロ』

「食料品の消費税率ゼロから給付付き税額控除への以降を見据えて検討を進める方針です。少なくとも夏前には、国民会議で中間とりまとめを行いたいと考えております」(高市早苗・首相)。

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私たちの暮らしに直結する食料品の消費税減税で生活はどのように変わるのか。

「2年間に限って飲食料品に限るゼロ税率であるということと、それから国民会議でスケジュールや財源の在り方など実現に向けた課題の検討は全部、漏らさずやっていく。財源についても特例公債に頼ることなくとはっきりしております」(片山さつき・財務相)。

実現には、いくつもの課題がある。福岡の街で聞くとその実効性について疑問視する声は、少なくない。

「短期的に見ると消費税が下がることは今の物価とか賃金を考えるといいことなんだろうが、その先のところですよね。先々がよくなるのであればいいと思いますけど」(50代・会社員男性)。

「今、いろいろコメとか食費も上がっていると聞くので、そこはすごくありがたいが、じゃあ2年後どうなるのって、もっと上がるってことじゃないですか。そこも不安」(20代・学生女性)。

「消費税をゼロにしても、ほかでどうにかしないといけないでしょう。お金のことは自分で対処するしかない」(40代・インストラクター男性)。

服部誠太郎・福岡県知事も「外食産業への影響、またそういうことに対応しなければならない事業者への影響、いろんなことがあります。2年間といえども、その財源をどう確保するのかしっかり検討して頂きたい」と根本的な財源の議論に加え、事業者への影響の広がりについて指摘した。

業界全体で懸念されている“外食離れ”

福岡市内の飲食店『炭と土鍋 魚座』。市場直送の新鮮な魚と県内の生産者から直接、仕入れたコメを土鍋で炊き上げる具だくさんの炊き込みご飯が人気だ。

食料品の消費税ゼロについて代表の中島丈統さんは「結局、市場での競りだったりとか、いくらで買うかって世界になってくるので、減税したからと言って、特に安く入ってくる世界じゃないのかなと正直、思ってます」と首を傾げる。

減税の枠組みが見えない中で影響は不透明だとしているが、業界全体で懸念されているのがいわゆる“外食離れ”だ。

食料品の消費税ゼロが実現するとスーパーやコンビニなどで惣菜や弁当に適用されている8%の軽減税率がゼロになる。

一方で『外食』の消費税は10%で据え置かれる可能性があることから“外食控え”が起こるのではないかと懸念されているのだ。

『炭と土鍋 魚座』の中島代表は「我々も含め、皆さん大変だと思う。家庭でちょっと面倒くさいような料理や家でできないような料理、お刺身ひとつにしても鮮度だったりとか仕込みだったりとか、そういったもので差を付けていきたい」と料理の質やサービスなど“選ばれる努力”で乗り切っていくしかないと話す。

「人件費と経費を使ってやらないと…」

食料品の消費税ゼロをめぐる影響は私たちの身近なスーパーでもみられる。

「業者さんに頼んで、それも経費を使ってやってもらうってことになりますけど」と話すのは『エムズ美和台店』店長の久松浩一さん。

会計に使うレジの消費税率の変更について業者に依頼する費用がかかるほか、価格表示のポップを全て手作業で作り替える必要があるため、その対応に頭を悩ませている。

久松店長は「1日、2日で、できる問題ではないので、そこは人件費と経費を使ってやらないといけない」と話す。

財源や制度設計など立ちはだかる課題に高市政権はどのような結論を出すのか。注目の特別国会は2月18日に召集される。

(テレビ西日本)

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