秋田の魅力を発信しようと、県産食材をふんだんに使ったチョコレート作りに取り組む大館市のパティシエの男性と、こだわりの制作現場を取材しました。
大館市桂城の洋菓子店「patisserie Messoner(パティスリーメッスナー)」。
店の名前は、「おいしいな」を意味する方言「うめっすなー」がフランス語のように聞こえることから付けられました。
ショーケースには、ケーキやタルトなど様々な種類の洋菓子が並びます。
店を経営するのは、藤田雄佑さん(36)です。大館市出身の藤田さんは、高校卒業後、東京でお菓子作りの修行をスタートさせました。
その後、秋田市や埼玉県の洋菓子店で腕を磨き、2020年に地域おこし協力隊としてふるさとの大館市に戻ってきました。
藤田雄佑さん:
「大館出身の人と外で会うことがなかったので、郷土愛がある人がいて新鮮だった」
地域おこし協力隊員として大館市への移住者を増やそうと、移住希望者のサポートや市の魅力をPRする動画の制作に当たりました。
また、パティシェとしての経験を生かしてお菓子作り教室を開くなど、様々な分野で地域に貢献しました。
そして2022年12月、協力隊の任期中にメッスナーをオープンしました。
藤田さんは、店で出すお菓子でも地元の魅力をPRしたいと考えました。
藤田雄佑さん:
「できるだけ地元産のものを使って表現したいという思いは、店を開く前からあった。地元にお金が落ちるような素材の使い方がしたい。良い素材がたくさんあるので、それを表に出していけるような仕事をしたい」
店の人気商品の一つが『AKITA HASHIOKI』。その名の通り、箸置きのような見た目から名付けられたチョコレートです。
色ごとに県内各地の食材を楽しめるようになっていて、五城目町のラズベリー、男鹿市で焙煎されたコーヒー、大館市の枝豆、上小阿仁村のほおずきと、1粒ごとに秋田の食材の魅力を感じられます。
チョコレート作りはほぼ独学と話す藤田さん。しかし、材料を入れるタイミングやチョコレートの温度など細かい工夫を重ねていて、より滑らかな食感になるよう改善を続けています。
藤田さんは、バレンタインに向けた特別メニューも開発しています。
『アムールディアマン』です。
カシスと赤ワインで煮込んだイチジクや、ルビーグレープフルーツとロゼワインで煮込んだレーズンなどを使い、果物のおいしさを堪能できる2種類のチョコが入っています。小坂町産のワインを使っていて、大人の味わいを感じられる一品に仕上がっています。
藤田さんは、今後も地元のものを積極的に商品に使って地産地消を進め、その魅力を県外にも発信していきたいと意気込みます。
藤田雄佑さん:
「一つの商品をしっかり作り込んで、外に売り出していくような主力商品を開発していきたい。『おいしい』と言ってもらえるのが、一番職人冥利(みょうり)に尽きる。商品が世に出て、皆さんの口に入って喜んでもらえるのが一番うれしい」
秋田の食材への探求心は膨らむばかりの藤田さん。次はどんなスイーツが生まれるのか、これからも目が離せません。