沖縄戦に関する研究がどのように広がり、何を明らかにしてきたのかを学ぶ講演会が11日、沖縄県那覇市で開かれました。
講師を務めたのは、長年沖縄戦を研究する関東学院大学名誉教授の林博史さんです。
林さんは、戦後の沖縄戦研究によって北部地域で起きた飢餓やマラリアによる住民の被害の実態が明らかにされてきたと述べ、研究の積み重ねを評価しました。
一方で、旧日本軍がなぜ沖縄の住民に深刻な被害を及ぼしたのかを考えるうえでは、軍だけに焦点をあてるだけでなく、当時の社会のあり方を含めて捉える必要があると指摘しました。
関東学院大学 名誉教授 林博史さん:
生き残った兵士たちが語っているのは、捕虜になったら自分の故郷に二度と帰れなくなる。非国民だと(言われる)。「自分たちは民間人より上」(という認識)になりますから、末端の兵士でも民間人に対して命令を平気でするわけですね
林さんはさらに、旧日本軍や当時の行政機関が「スパイ防止」を名目に国や軍への不満や批判を抑え、住民同士が互いを監視し、告発し合う仕組みを作り上げていったと説明しました。
こうした社会の構造が、住民への被害を拡大させる一因になったとしたうえで、排外的な考え方が広がる現代にも通じる課題だと指摘しました。