2月上旬。天候にも恵まれ、上々の春季キャンプのスタートを切ったプロ野球、福岡ソフトバンクホークス。今シーズン最大の課題は、昨シーズン14勝を挙げながら移籍したエースの有原航平投手(33)の穴をどう埋めるか。新たなローテーション構想について、小久保裕紀監督(54)に聞いた。
『チームを1度壊す』その真意は?
日本一になった直後に『チームを1度壊す』と宣言した小久保監督。キャンプインしての選手たちの動きをどう見ているのか。

▼小久保裕紀監督「S組(=主にベテランや外国人、リハビリ中の選手が、それぞれのコンディションに合わせて調整を行うためのグループ)は、まだ来ていないですけど、その間に見てもらえる選手だということは、それぞれ分かっているわけですから、去年の『壊す』という発言は、去年、主力のケガ人が相次いで、その後に出てきた選手たちがタイトルホルダーになったりとか、そこそこ自分のキャリアハイの成績を残したりとかとしても、次は、『まだその位置が安泰で、そこからのスタートじゃないよ』と(いうこと)。『また掴みに行かないといけないよ』というのも踏まえて『壊す』という発言をしたんですけれど…」

▼小久保裕紀監督「結構、体付きが変わっている選手がいて、(例えば)柳町(達 選手・28)も何かすごく大きくなったと感じたら、やっぱりキャリアハイの体重まで今、増やして筋力アップしているし…」

▼小久保裕紀監督「前田(悠伍 投手・20)も去年、大きくなったうえに、なんか今年また大きくなっているし、そういう点では楽しみかなと思います」

昨季14勝の有原投手の抜けた“穴”は?
今シーズンから新加入した主な選手のうち、誰が有原投手の抜けた“穴”を埋められるのか?
▼小久保裕紀監督「まあ、カーター・スチュワート(投手・26)も去年は(故障で)1イニングも投げてないので、新加入と一緒です。スチュワートへの期待は、一昨年の成績(=9勝4敗・防御率1.95)からやってくれると。ケガがなければ、健康で投げられれば、ローテーションの中に入ってくる」

スチュワート投手が、有原投手の穴を埋めてくれれば一番?
▼小久保裕紀監督「それは考えてない。やっぱり去年、1年間投げていないピッチャーが、1年を通して中6日、乃至中5日のローテーションを守りきれるかどうかというのは結構、賭けになりますので、なかなか1人で賄えるとは思っていないですね。そこまでのプレッシャーは与えない方がいいだろうと思っています」

台湾から加入した徐若熙(シュー・ルオシー 投手・25)は?
▼小久保裕紀監督「そうですね。(台湾から)新加入の徐もそうなんですけれども、年間通してローテーションを回すという考えは今のところありません」

小久保監督は、気にするべきは、有原投手の挙げた“14勝”ではなく、投げた“180イニング”だという。

▼小久保裕紀監督「勝ち星に関して言うと、5回で投げ終わって5点取られても、6点を取っていたら勝利投手になるじゃないですか。勝利の場合はやはり打線との絡みもあるので。もちろん優勝ラインが87勝や88勝みたいなイメージからする『14勝』という考え方もありますけど、年間を通してそのイニングを賄えるピッチャーを見極めておかないと、そっちの方が大事かなと倉野(信次)投手コーチと話しています」
上沢投手?大関投手?今季開幕投手は誰?
昨シーズン、2年連続で最優秀防御率を受賞したリバン・モイネロ投手はWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)のキューバ代表として出場予定になっている。開幕には間に合うのか?
▼小久保裕紀監督「そうなんですよ。ちょっと流動的になるので、あまり開幕の4月の頭から『いきなりフルで』というのは、あんまりイメージしていないので、それが投げられる状態ならそれに越したことはないんですけれども、そこはWBC次第です」
モイネロ投手に加えて先発ローテーション入りが確実な上沢直之投手(32)と大関友久投手(28)。この2人から開幕投手は選ばれる可能性が高い。

▼小久保裕紀監督「まだ何にも決められない、何にも決めてない。今月中には伝えてあげたい。開幕の日本ハムと3連戦が終わった後、次の連戦が、寒い仙台の午後4時からの試合(対東北楽天ゴールデンイーグルス戦)、13時(第2戦)、13時(第3戦)かな。4月の頭にビジターに出て、その後、そのまま千葉に入るじゃないですか(対千葉ロッテマリーンズ)。その屋外球場(ZOZOマリンスタジアム)も踏まえてローテーションを決めていこうと思っているわけです」

▼小久保裕紀監督「2人以外も…、あり得るかもしれないですが、あり得るかもしれない」

ショートは誰?熾烈な内野手争い
昨シーズン、その前年の11月には、早くも発表されていた有原投手とは対照的に慎重な見極めが続く今シーズンの開幕投手。

野手も同様に、実績組や昨シーズン、飛躍を遂げた選手に敢えて厳しい競争を課している。中でも熾烈な争いが繰り広げられているのがショート。昨シーズン、活躍した野村勇選手(29)とベテランの今宮健太選手(34)。加えて川瀬晃選手(28)。ショートは誰だ。
▼小久保裕紀監督「まあ、勇の去年の活躍から、いきなり『スタートを今宮』としてしまうのは、勇にとってもやはりモチベーションが下がるということもあると思います。今宮は、ショートに拘って、ショートのすごい記録を作りながら、今、歩んできているプロ野球人生ですけれども、去年の秋に今宮を呼んで、今シーズンに関してはサードに回ることもあるかもしれないし、セカンドに回る、試合の流れ的にそこに回ることかもしれないし、もっというとファーストの可能性もあるので『準備はしておいてくれ』という話をしている。それは決して『ショートのレギュラーを諦めなさい』という話じゃなくて、試合の流れの中で、ショートで出場したとしても最後にほかのポジションに回る可能性もあるということを伝えていますけれどもね」

オープン戦で、2人が打ちまくったとしたら、どうなるのか?
▼小久保裕紀監督「そうなると、やっぱりサードの栗原(凌矢・選手 29)はどのぐらいの打撃内容で結果を残したのかとか。山川(穂高 選手・34)の状態もあるでしょうし、WBCに選ばれた牧原(大成 選手・33)も諸々、絡んできますよね。そういう悩みっていいですよね」

ショート争いだけに留まらず、内野全体の定位置を奪い合う巨大なサバイバルになると話した指揮官。そしてインタビューは4番打者の話題に移る。
不動の4番打者は山川?
山川穂高選手、昨シーズンは4番打者としてスタートしているが、山川選手が途中で外れた結果、4番打者を6人使うことになった。これは小久保監督の理想とは違うのか?

▼小久保監督「そうですね。理想はやっぱり固定、それが理想ですけれどね。僕らの仕事というのは、やはり勝ってファンに喜んでもらうための仕事ですから、勝つというところに対してのやっぱり最善策を打っていかないといけない」

▼小久保裕紀監督「(山川に)『1回、外れようか』と伝えるのは、やっぱり(伝える方も)エネルギーが要りましたよ、当然。穂高の場合は人一倍、4番に対する拘りが強い選手なので、その思いも分かるし。でも『監督が、もう4番に関しては全く悩まなくていいように今年はやるだけです』というコメントを見たので、そうなってくれるとこちらとしてもすごく助かりますよね」
今シーズンも基本的には山川選手が4番?

▼小久保裕紀監督「それは今年、長谷川(勇也)打撃コーチが、1軍で権限があります。長谷川コーチが、どういう打順を考えているのか、まだ1回も話していないので、これも楽しみ。これもひとつ『壊す』というところに繋がっているんですけれども、まだ話してないんですよ。でも、何か中途半端に話したくないんですよ。初日のオープン戦の時とかに持って来てくれる打順を見たいですね。だから打順については全く話さないです。『監督ってこんなふうに思って、こうして欲しいのかな』みたいなのを長谷川コーチの頭に入れたくないですね」

今シーズンは、1軍コーチ陣の顏ぶれも変わり、その点でも今シーズンのスローガン通り『全新』しているホークス。いよいよキャンプも中盤へと入って行く。
(テレビ西日本)
