2年後のロス五輪出場に期待がかかる自転車競技の日本代表選手2人が、競輪選手の養成施設に入校した。一体なぜなのか?

自転車競技の日本代表が競輪選手養成所に

静岡県伊豆市にある日本競輪選手養成所。

日本で唯一となる競輪選手の養成施設だ。

2025年5月、ここの門を叩いたのは男女あわせて93人。

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その中に静岡県三島市を拠点に活動しているHPCJC-ブリヂストンアンカー所属の日本代表選手、松田(まつだ)(しょう)()さんと()(じま)直樹(なおき)さんもいた。

「自転車選手だったら、自転車でいっぱいお金を稼ぐのが夢だと思うので、(競輪選手という職業は)すごくありがたい」と話すのは松田さん。

一方、兒島さんは「次のロス五輪を目指すにあたりタイミング的に今が一番いいと思い入所を決めた」という。

記録会はまさかの結果…

松田さんと兒島さんが専門とするのは自転車トラック競技の中距離種目。

ただ、昨今はレースの高速化が進み爆発的な瞬発力を求められる場面も多いだけに、オリンピックでメダルを目指す上で競輪のトレーニングはうってつけだという。

「スプリントや回転。いまギアが重くなっている中で、僕たちに足りないところはやはり回転力」と松田さんたちは競輪を通じて回転力の強化を目指している。

養成所に入ってから間もない時期に行われた記録会。

200mから3000mまでの4つの距離についてタイムを計測したが、日本代表の2人は5段階で下から2番目という評価だった。

この結果に松田さんは「1位とこんなにタイム差があるのかと。脚質にもよるとは思っていたが、まさかここまでとは…自転車の素材が違い、力いっぱい漕いでも全然進まない」と少なからずショックを受けたようだ。

原因を分析しリベンジ

記録が振るわなかった最大の要因は自転車の違い。

このため2人は競輪用の鉄製フレームで出来た自転車に慣れると共に、最新の理論に基づいて考案されたトレーニングメニューで自らのスキルに磨きをかけることとした。

養成所でのトレーニング
養成所でのトレーニング

その結果、最初のタイムトライアルから3カ月後に行われた記録会では2人ともタイムを大幅に縮めることに成功。

松田さんは最高評価、兒島さんも上から2番目の評価を得ることができた。

オリンピック後の人生にもプラス

競輪の特徴として挙げられるのが収入の高さと選手寿命の長さだ。

成績次第とはいえ、1年間で獲得する賞金の平均額は男子が約1600万円、女子が約1000万円で、中には60歳代の現役選手もいる。

「競技をやめた後でも競輪選手は長い人生やっていける。競技のあと、競輪選手1本でやっていける道もできるので、そういったところはすごく魅力的」と兒島さんは率直な思いを明かす。

一方、松田さんは「2027年からロス五輪のポイント争いも始まるので今年(2026年)しっかり土台を作って挑めたら良い」と競輪の経験を五輪へのステップに生かす意気込みだ。

競輪レースの様子(資料)
競輪レースの様子(資料)

オリンピックという夢舞台に立つことができるか。そして、競輪の世界で息長く活躍することができるのか。2人の今後の走りが注目される。

(テレビ静岡)

テレビ静岡
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