自分のスマートフォンやパソコンに第三者が接続し、両者が画面を共有して遠隔操作を可能にするという“遠隔操作アプリ”。

この記事の画像(12枚)

今、このアプリを悪用した詐欺が増えているといいます。

「よくわからないアプリを指示されるまま入れるのはとにかくやめましょう」と国民生活センターも注意を呼びかけている、“遠隔操作アプリ”を悪用した詐欺。

「めざまし8」は、実際にパソコンを遠隔操作され、危うく詐欺被害に遭いそうになったという50代主婦の女性を取材しました。

サポートセンターに電話したと思ったら…巧妙な手口

詐欺被害に遭いそうになった50代女性:
(パソコンで)二ュースをちょっと見て、その下に“おすすめ”みたいなものが出てくるじゃないですか。あれをクリックしたら警告ですっていうような、赤いWARNINGみたいな感じの表示と音が出たんですよ。
下にサポートセンターに電話してくださいみたいな感じで出たので、電話しちゃったんです。事前にソフトウェアをインストールしたばっかりだったんですよ、詐欺対策の。それで出た表示がこの電話番号なんだと思い込んでたんで、信じちゃったんですよね。

女性が表示されたサポートセンターの電話番号に電話をかけると、担当者と名乗る人物から修理のために遠隔操作用のアプリをインストールするように促されたといいます。

指定されたアプリをインストールすると、「修理代金は2万円です」と料金を請求されました。その際に通販サイトのログインパスワードを聞かれましたが、女性は不審に思い「忘れた」と嘘をついたといいます。

すると、今度は勝手に通販サイトのパスワードを変更し、電子マネー2万円分を購入されたので、女性は怖くなってパソコンの電源を落としました。

詐欺被害に遭いそうになった50代女性:
パスワードを変更されて、勝手に注文されて「何で?」って思ったら、遠隔操作で2万円取られたと気づいて。

その後、注文をキャンセルしようと再びパソコンの電源を入れると、またも遠隔操作され、キャンセルされないように注文履歴を消されてしまいました。
女性は夫に相談し、警察に通報。警察が通販サイトと、クレジット会社に連絡し、なんとかキャンセルすることができたといいます。

信じ込ませるための手口だったのか、遠隔操作中に「パソコンにハッカーがいる、彼はすべてのデーターを盗む」「修理代 2man」など書かれた奇妙なメモ帳を表示させ、さらに担当者を名乗る人物が、「この男がハッカーです」と画像を表示させたといいます。

しかし、この画像は番組が調べたところ、映画に出てくるワンシーンのきりとり画像でした。

引用:東京都消費生活総合センター
引用:東京都消費生活総合センター

遠隔操作による被害は、他にこんな事例も。

東京都消費生活総合センターによると、30代男性から「遠隔操作アプリ」に関するこんな相談が寄せられたといいます。

現在無職。簡単に収入が得られないかと思い、ネットで副業を検索したところ「すきま時間に稼げる」というサイトを見つけ登録した。

数分後、仕事の説明の電話が入り「サポートプランに登録すればもっと稼げる」と高額なプランを勧められ、お金がないと言ったら『遠隔操作アプリ』をインストールするよう指示された。

インストール後、事業者にスマホを遠隔操作され、代金分約100万円を複数の消費者金融から借入れられてしまった。サポート内容が電話で聞いたものと違っており、全く稼げないので解約したい。

どんな情報が抜かれてしまうのか?だまされないための対策は?

遠隔操作アプリを悪用することで、流出してしまう可能性があるデータとして以下のものが考えられます。

・パソコンやスマートフォンの中にあるデータ
書類、機密情報、写真、電話帳・住所など

・画面に入力・表示された情報
パスワード、クレジットカード情報、SNSでのやりとり、個人情報など

遠隔操作アプリによるトラブルを防ぐためにはどうしたらよいのか?ITジャーナリストの三上洋氏によると、以下の事柄に注意が必要だといいます。

・「誰でも簡単に稼げる」「高収入」という話を信じない。

・信頼できない人から電話で指示されたアプリを入れない。信用できない人からの遠隔操作を許可しない。

・遠隔操作中に不審な操作をしていると気づいた場合スマホやパソコンの電源を切る

そして、異変を感じた場合は、すぐに警察に相談することも大切です。
上記以外にも、注意する事柄があると三上氏はいいます。

ITジャーナリスト 三上洋氏:
最初に「情報商材」というものを売りつけられることがあるんです。こうしたらもうかる、こうしたら1日の売り上げが伸びる。それが2000円~3000円の安い金額で売っているんですよ。それを買ってしまった人が、さらにだまされているという構図があります。ですので、安い金額で売られているような、情報商材などを絶対に買ってはいけないというのが基本です。

(めざまし8 「わかるまで解説」より 6月8日放送)