キリンのビールを飲んでほろ酔い気分となり、それが空くとアサヒのものを飲み、さらにその商品が切れたらサッポロのビールを胃に流し込む。ビールではなく、スーパーのプライベートブランドの安い缶酎ハイでも構わない。それで満足だから。
もしあなたが、このような「どんなお酒であっても文句を言わない、物わかりの良いお酒飲み」だとしたら、逆にそれは「悪いお酒飲み」になってしまっているシグナルかもしれません。
なぜなら、銘柄に拘らなくなったお酒飲みは、お酒を味わうのではなく酔うこと自体が目的化している危険性が高いからです。
そこにはもはや、食事の友でもあるお酒を味わいながら嗜み、食卓を、ひいては人生を豊かにできている「良いお酒飲み」の姿はありません。
一生飲み続けるための減酒術
具体的な減酒術の話をする前に、まずは皆さんの「飲酒型」について説明しておきたいと思います。

顔が赤くならずに飲んでいられる人(1)、赤くはなるけれどアルコールを受け付けないわけではなくそこそこいける人(2)、全く飲めない、いわゆる下戸(3)。飲酒に関してはこの3タイプに分けられます。
そして、アルコールの処理能力は遺伝子によって決まっていて、(1)を「NN型」、(2)を「ND型」、(3)を「DD型」と呼びます。日本人の56%がNN型、40%がND型、4%がDD型との臨床研究があり、ちなみに私はND型です。