栄養を損なわない保存法&食べ方

ピーマンは常温保存が可能な野菜ですが、冷蔵保存する場合には「お湯漬け」がおすすめ。

50℃のお湯(沸騰したお湯に同量の水を足す)に1~3分浸してから水分をよく拭いてラップなどに包んでから冷蔵庫へ。ビタミンの減少を抑えることができます。

加熱に強いピラジンは焼く・炒める向き(画像:イメージ)
加熱に強いピラジンは焼く・炒める向き(画像:イメージ)

また、ピーマンの栄養吸収のコツは焼くことです。

ピーマンの血液サラサラ成分・ピラジンは、実は焼いた肉などの香ばしさに含まれる香りと同じ。よく煮込んだシチューなどのコク成分でもあるため、あえてピラジンを添加してコクを出すこともあるそうです。

ピラジンは加熱に強いだけでなく、ある程度の高温で加熱することで増えるとする研究結果も報告されているため、焼く、炒めるなどの調理に向いています。

ピラジンは種とワタにこそ豊富なので、調理する際にはそのまま使うのが原則です。

ベストな組み合わせは「ごま」

ピーマンにはβ-カロテン、ビタミンE、クエルシトリンなど脂溶性の成分が多く含まれます。そのため、油で調理すると吸収率を上げることができてお得です。

ピーマンのビタミンCやピラジンも熱で壊れにくいので加熱調理もOKです。

ピーマンに含まれる脂溶性の栄養素を余すところなく摂るためには、脂質をプラスすることが大切。おすすめは「すりごま」。

ごまのセサミンで抗酸化力も倍増するため、ぜひ食材の「あと一品」に追加を。作り方は縦切りにしてレンチンしたピーマンをすりごまと和えるだけでできあがりです。

『完全版 その調理、9割の栄養捨ててます!』(世界文化社)

監修者:
濱裕宣

東京慈恵会医科大学附属病院栄養部部長。日常生活で活かせる健康と栄養バランスをモットーに、患者の立場に立った食生活に向上指導にあたる

赤石定典
東京慈恵会医科大学附属病院栄養部。栄養食事指導によって、病態改善・治療・治癒への貢献を目指す

東京慈恵会医科大学附属病院栄養部
東京慈恵会医科大学附属病院栄養部