学歴詐称問題に揺れる伊東市の田久保眞紀 市長が7月31日に会見を開き、辞意を撤回した上で続投を表明しました。この中で代理人弁護士は疑惑の卒業証書について「押収は拒絶する方向」と述べています。
伊東市の田久保眞紀 市長は市の広報誌や市長選を前に報道機関が依頼した経歴調査票に「東洋大学法学部卒業」と記載していたものの、実際には除籍されていたことがわかっています。
この問題を受け、田久保市長は7月7日に開いた会見で辞意を表明し、その後、月内にも辞職する考えを示していましたが、ここに来てトーンダウンし、28日の定例記者会見では「辞職」という言葉を頑なに口にしませんでした。
こうした中、田久保市長は31日午後8時から改めて会見を開き、辞意を撤回した上で「茨の道であることは重々承知している。結果でお返ししたい」と職務を全うする考えを明らかにしています。
田久保市長をめぐっては学歴詐称問題が浮上した直後、市議会の正副議長に“卒業証書”とされる資料を見せていることから、市議会の百条委員会が提出を求めていますが、憲法で保障された自己に不利益な供述を強要されない権利を理由に拒否しました。
一方、この問題に関し、市内にある建設会社の社長は「報道各社に対し虚偽の情報を伝達して、この情報を広報させた」として公職選挙法違反の疑いで告発状を提出し、警察が受理したことで本格的な捜査が始まっています。
ただ、会見に同席した福島正洋 弁護士は疑惑の“卒業証書”について「まだ私の金庫に入れて預かっている」とした上で、「刑事訴訟法105条に従って押収拒絶権があるので、やはり押収は拒絶する方向」と任意提出には応じない考えを示しました。
また、仮に強制捜査になったとしても差し押さえは「許されない行為」との見解を述べています。
田久保市長は7日の会見で疑惑の“卒業証書”に関して在籍期間証明書などと共に検察へ上申する考えを明らかにしていましたが、31日の会見では「刑事告発の状況などを総合的に検討しなければならないので答えは差し控える」と明言を避けました。