ふるさとや家族のこと、そして、日々の暮らしを描いた作品が並んでいます。合志市にある国立療養所菊池恵楓園の絵画クラブ『金陽会(きんようかい)』の作品展が合志市立合志楓の森小・中学校で開かれています。
合志市にある国立療養所菊池恵楓園の隣にある合志楓の森小・中学校です。地域交流室で、2月2日から菊池恵楓園絵画クラブ『金陽会』の作品展が開かれています。
【学芸員 藏座 江美さん】
「奄美大島にも和光園という療養所があるんですよ。そこで、この絵を展示した時、入所者の高齢の女性がこの絵を見た時にすごくニッコリ笑われたので、〈なんでだろう〉と思ったら、『よう肥えとる』とおっしゃいましたよ。奄美大島ではこんなに丸々太った豚は、お正月になると1頭をつぶして、親戚一同に振る舞うのがお正月の習わしだったらしくて、これを見た途端にニッコリ。多分、その時のことを思い出されたんだろうね」
校内での開催は5回目で、今回は金陽会のメンバーの950点を超える作品の中から24点が展示されています。
ふるさとを追われ、家族と離れ、差別や偏見に苦しみながら療養所で暮らす人たちにとって、絵を描くことは心穏やかに生きる手段の一つでした。
【観賞した生徒】
「習っていないのにこういう絵を描けるまで、努力して描いてきたのがすごいと思います。絵が生き生きとしている感じがして、力強いイメージがあります」
「タイトルの『愛娘』と書いてある理由を考えると、ハンセン病患者さんは子供を産めなくて、それで猫のことを娘のようにかわいがっていたのかなと思いました」
【合志楓の森小学校 岩木 登紀子 教頭】
「作品としての素晴らしさを鑑賞してもらって、味わってもらいたいというのがまずはあります。その中で毎年、子供たちはハンセン病問題学習については、学年の段階に応じて学習を積んでいますので、それとリンクさせながら、学年学年で絵を通して感じることや考えることは変わってくるのではないかなと思っています」
金陽会のメンバーもほとんどが亡くなり、今、絵筆を握るのは吉山 安彦さん一人となりました。矢野 悟さんは目が不自由になったため、描くことはなくなりましたが、子どもたちの反応を楽しみにしているといいます。
【学芸員 藏座江美さん】
「5年生以上の子たちは120点近い作品を見ているんですね。そういう小・中学生はいないと思うんです。『私は吉山さんの絵が好きです』と名指しで言える子がいるのも、やっぱり継続して見てもらえているからかなと思っています」
『知らないを観に行こう。菊池恵楓園絵画クラブ金陽会作品展』、2月7日(土)と8日(日)は一般にも公開されます。